メジャーアイドル楽曲部門
1位 シークレットグラフィティー / 乃木坂46 :3pts.
アメリカのレトロなハイスクール・ラブコメディ感漂う一曲。9月に催されたアンダーライブにおいてのこの曲の盛り上がりは、いい意味で「乃木坂らしくない」と感じさせられた。メンバーによるコール動画など、先導された形ではあったものの、あのような場を作り上げたこの曲の意義は非常に大きく、15th期間最大の功績といっても過言ではない。ただ、アンダーライブではない大会場になると「ちまちまひなちま、フーフー」がさっぱり聞こえなくなってしまうのは大変悲しく、皮肉にも「乃木坂らしさ」も感じられてしまう曲でもある。
MVは『そんなバカな・・・』を彷彿とさせる、バカらしさを漂わせつつ℃キュートな仕上がり。伊藤万理華も久々にこういったテイストのMVを作りたいと語っていたので、初めてMVを見た時は思わず笑みがこぼれた。ダンスもすぐに真似できて大変たのしいもの。これを踊らずに何を踊るのか。
2位 口約束 / 乃木坂46 [秋元真夏、桜井玲香、中田花奈、若月佑美] :3pts.
ダンスやライブ、MVなどを含めた総合的1位は『シークレットグラフィ
ティー』であるが、この『口約束』はCD音源のみで同ポイントを与えてしまう曲である。歌唱面では乃木坂ワーストレベルと言われる秋元真夏のソロパートから始まるのだが、本人の頑張りの甲斐なのかレコーディングスタジオの努力の結晶なのかはわからないけれど、真夏のいいところだけが出た最高の歌いだしになっている。若月佑美の"含みのある"歌声と、中田花奈の粘り気のある独特な歌唱が双璧をなす中で、桜井玲香の澄んだ声が響き渡る。AメロとBメロはソロパートにもかかわらず、4人の全く異なる特徴の声が絶妙に絡み合っている感覚を覚える。楽屋でも一緒にいることの多い4人ということを意識した歌詞も脇を固める。落ち着いた雰囲気を漂わせつつも疾走感のあるサウンドが、4人の駆け抜けている青春をイメージさせ、聴き終えた後の心地よさがたまらない。
3位 2度目のキスから / 乃木坂46 :2.5pts.
カラフルかつコミカルなMVとダンス、それに負けない癖っけのあるサウンド、この4人(秋元真夏、渡辺みり愛。相楽伊織、鈴木絢音)だからこそ成り立つと思わせる世界観。今年の乃木坂楽曲の中では一番中毒性が高くジャンキーな一曲で、リピートしだすと止まらない、踊らずにいられないといった代物。ライバルのさゆりんご軍団が一足先に『白米様』をリリースしたが、個人的にはこちらも負けてないぞといった思いである。ユニット曲ということもあって、機会に恵まれなさそうな面があるのは不安要素ではある。
4位 裸足でSummer / 乃木坂46 :1pts.
2016年の乃木坂46といったらこの曲、僕個人はそう思う。2ndアルバムのリード曲である『きっかけ』は、音楽番組でも披露する機会が多く、「乃木坂らしさ」が強い曲であるため、今年の紅白候補の筆頭であるといわれている。『裸足でSummer』が舵を取ってきた15thシーズンは乃木坂及び各メンバーにとって大きなポイントであったと思うし、非常に濃密な期間であった。それを走りきれたのはこの曲のパワーのおかげである。タオルをリズムに合わせて掲げるだけの簡単な振りは、元々推しの名前が入ったタオルが根付いている乃木坂にとってベストフィットし、盛り上がりに欠ける乃木坂現場においてライブとしての一体感なるものをようやく掴んだ曲なのではないかと感じる。
5位 行くあてのない僕たち / 乃木坂46 :0.5pts.
15thにおいてアンダーに落ちた伊藤万理華×井上小百合に突如あてがわれたユニット曲。30分ほどのショートムービーまで制作されたほどであり、どちらかというと選抜ではスポットの当たらなかった二人であるため、異常といえるほどの厚遇により一層選抜というものの意義を考えさせられた一曲。最初に一報を聞いたときは「そんな温情は要らないんだよ」と怒りにも似た感情を覚えたが、楽曲を聴くとその秀逸さに、感じていた苛立ちもすっと消えた。ショートムービーも単体としては良いもので、特に二人が魅せる表情は大変すばらしいのだが、名作『あの日 僕は咄嗟に嘘をついた』の続編として作成される必要性はあったのかといまだに思ってしまうし、蛇足ではなかったかなと感じてしまう。
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