アルバム部門
1位 『Gemini』 / WHY@DOLL :3pts.
一部のアーティストを指す狭義の“渋谷系”ではなく、80年代後半から90年代中旬渋谷に店を構えるレコード・CDショップ経由で流行った「ネオアコ」「スウェディッシュポップ」「フリーソウル」などの様々なミュージックラバー向けのムーブメントを総括したものが広義の渋谷系だと考えている。GEMINIは、そんなCDショップが元気だった時代の渋谷の空気感を現代に蘇らせたオジサン泣かせの曲がたっぷり詰まった名盤。とは言えマニアックさとは無縁、尖ったところのない美味い水や米のような、飽きの来ないある種中庸の美が彼女たちの魅力。もっと多くの人が手に取るべき作品だと思うのだが、残念ながら一部好事家アイドルコミュニティの中だけで消費されているのがモッタイない
2位 『LISTEN UP』 / 西恵利香 :2pts.
西恵利香や元Especiaの脇田もなりさらには元AKB48の星野みちるあたりのグループアイドル出身ソロシンガーを“アイドル”に分類するのか“アーティスト”に分類するのか当の彼女たち含めて、人それぞれの考えがあると思うが、個人的にはアイドルに含めたほうがシーン全体の活性化につながると信じる。photograph GALETTeが解散保坂朱乃が引退、IsTaR流星群少女が活動形態を変えるなど、呪われたディスコサウンド職人筑田浩志作品を歌い継ぐ者たちが次々戦線を離脱する中、孤軍奮闘するディーバ西恵利香の歌心が詰まった逸品。Remix集と合わせて楽しみたい
3位 『ティー・フォー・スリー』 / Negicco :1pts.
ほわどる西さん葱と如何にもなセレクトがこっぱずかしいが、所詮ある種のノイジーマイノリティに過ぎない楽曲派層に向けストレートに作られた良盤を照れずに評価しないことには、未来は無いとも思う。雪国に暮らす長年苦労した女の子たちの物語のセンチメントに共感する時期を超え、普通の日常として彼女たちの優しい音楽を聴けるのはシアワセな事だ
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