アルバム部門
1位 『余白』 / 真っ白なキャンバス :3pts.
真っ白なキャンバスのベストアルバムにしてラストアルバム。7名のメンバーの声によって旧曲もすべて再録音されており、古くから歌い継がれたライブの定番曲が音源面でついに完璧な姿を見せたといえそうだ。「SHOUT」のイメージが強い白キャンだが、実際は要所要所でライブフロアに対するスマッシュヒットを飛ばしており、それらの楽曲が時系列順でおさめられている本作は、その証明となるアルバムでもある。名盤としかいいようがない。
2位 『Color』 / シンダーエラ :2pts.
超絶名盤『sins』のあとに制作された楽曲群にメンバーの個性を浮かび上がらせるソロ曲を加えたことで、アルバムタイトルそのままに多彩な魅力が織り交ざった作品だ。ポストロック調の楽曲が存在感を放っていた前作からがらりと雰囲気は変わり、壮大、荘厳な世界観の楽曲からストレンジなギターサウンドが唯一無二の個性に結実した楽曲群まで異質な手触りの楽曲が詰め込まれている。変態さ加減でいえばこちらのほうに軍配が上がるだろう。それでありながら暗闇の中で光る宝石のような妖しい魅力はそのまま受け継がれているところがすごい。制作者の気概を感じる傑作アルバム。
3位 『コトノグラフ (PM)』 / ピューパ!! :1pts.
オルタナティブロックに傾いた五つの楽曲をまとめたミニアルバムで、シンセのサウンドスケープが印象的な2023年『コトノグラフ(AM)』と対を成す一枚。
創意あふれるギターフレーズのひとつひとつが気持ちに深く突き刺さってくる佳品が揃っており、一枚を通して聴くことで圧倒的な音楽体験を得られる。ピューパ!!の一貫したサウンドクリエイトにはいつも敬服してしまう。現メンバーの声の個性の混じり具合もまた素晴らしく、素敵なグループだと思う。
|