メジャーアイドル楽曲部門
1位 マーマレード・フレイバー / ukka :3pts.
この曲の完璧なメロディラインとメンバーの歌唱は、かけがえのない魅力に溢れている。忘れもしない、新体制最初のツアー初日公演でこの曲が初披露された時、イントロが鳴った瞬間に驚き、曲が終わるとメロディが頭から離れぬほど感動に包まれた。
ukka特有の感情の襞に分け入ってきて、胸かきむしられるような詩情と抒情。オシャレなメロディの中に、様々な感情が交錯する<ukkaドラマティック・ポップス>を象徴する最高傑作だ。
単に春の到来と淡い恋の芽生えをマーマレードの甘酸っぱくも苦い味わいに重ね合わせた歌にはとどまらない。新体制をもっと好きになる!──これはukkaの心の底からのメッセージでもあるのだ。
♪
木漏れ日が照らすベンチ
きみを見てた
陽射しの向こう側で
いつも待っている
春風が通り抜けた
マーマレード・フレイバー
はじまったこの恋を
きみはまだ知らない
すぐ分かるよ
待っててね
♪
2位 CITY feat. 柳美舞 (ばってん少女隊) / 月刊偶像 :2.5pts.
ばってん少女隊でデビューして以来、仄かな感情の中に切ない哀しみを歌に込めてきた柳美舞の全てがこの楽曲に包まれている。これぞ柳美舞の真骨頂だ。
ソウルフルで圧巻の日向ハル、豊かなGrooveの桜井えま、だがそれにも増してこの曲でのテクニックをこえた柳美舞のヒリヒリする渇きと身を切るような哀愁には唸らされる。シティ・ポップをアダルトなAORのように仕上げたミソハギザクロとアレンジの名手T.O.Mは幼い歌手柳美舞の才能に惚れこみ、容赦せず迫ってゆく。真剣勝負のコラボが火花を散らす。
<東京砂漠>という大都会で頂点を目指す決意を打ち固めた(ばってん少女隊)柳美舞の未来を先取りしたかのような歌詞には脱帽せざるを得ない。
それにしても柳美舞には高音でどっしりと歌わせる方が真価を放つのだなと確信させる。<美舞ブルー>──やはり彼女は<恐るべき子ども(Lady)>だった。この曲が1位でも構わない。
3位 プリンセスヒーロー / 超ときめき♡宣伝部 :2pts.
超ときめき♡宣伝部がスターダムにのし上がりつつある「最上級にかわいいの!」がベスト3入り間違いないのは承知の上で、あえてこの曲を選びたい。
この手ごたえは「7月のサイダー」以来、超とき宣の真価が炸裂している。この曲のディスコ調でグルーヴィなサビは無敵。王道アイドル曲だけでなく、アーティストとしての真価が問われるこいう曲をわがものとする実力がやっぱりあるなと唸らされる。
ドラマ版『着せ恋』の主題歌なんだって? 本格アイドル全開の彼女たちの本音すら垣間見えるこの曲は、『推しの子』ブームを意識しつつ、ばってん少女隊の傑作『無敵のビーナス』の切なさに対して、真っ向から闘志全開。
1stワンマンの原宿クエストホール以来、ライブ会場にはほとんど足を運んでいないんだけど、この時期になると、やっぱり超とき宣に投票しちゃうんだよな。それこそがスターのヒット曲であり<スターの証し>なのだろう。
4位 フォーリンラブな時 / 東京女子流 :1.5pts.
これぞ来年15周年を迎える女子流の貫禄。ミドルテンポのロマンティックな曲とそのパフォーマンスにはうっとりさせられる。この曲がベスト3に選ばれても文句ナシ。
初期のR&Bの路線を現在のダンスミュージック路線でしっかりと表現する見事な傑作。ダンスも歌も魅せる事に徹し、さながら蝶のように舞い 蜂のように刺す、完成度の高さ。
2年ぶりに返り咲いた彼女たちが、2025年デビュー15周年に向け、<女子流王国>を着々と築き上げている。ひとこと添えるなら、いつステージを観ても、彼女たちには感嘆させられっ放しだ。
5位 CRYSTAL DROP / 私立恵比寿中学 :1pts.
本音を言うと、こんなにいい曲いいパフォーマンスが出来るのに、ちょっと賛否が分かれたくらいで、なぜ真っ向勝負を挑まないのか?、かなり疑問。
「みかちゅう」=「未確認中学生X」をバズらせようとする意味が分からない。11年前には斬新だったが今の音楽的流行を制する傑作なのか? なぜ9人現体制でのパフォーマンスを全面に押し出さない?
サブカルチャーアイドルとして売り出したのはほんの初期。私立恵比寿中学の基本路線は今でも<ゴールデン・ポップス>で一気に聴衆を鷲掴みにすることだと思う。喜怒哀楽に溢れた多彩な楽曲群でたたみかけられる絶対的な貫禄。今回投票した楽曲もそれにふさわしい傑作だと思う。
<守勢から攻勢へ!>──ベスト盤懐メロアイドルになるな。怯むことなく、新曲・自信作・名曲の数々を釣瓶打ちし、さいたまスーパーアリーナ以後もドラスティックに情勢を流動させよ! 今こそ起ち上がれ私立恵比寿中学★
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