第10回アイドル楽曲大賞2021 >> 個人ページ こいけ

投票者情報


ニックネーム:こいけ


メジャーアイドル楽曲部門


1位 わたしとばけもの / 真っ白なキャンバス :3pts.
  歌詞が、曲の展開が、ボーカルが、ダンスパフォーマンスが、全てがエモーショナルでドラマチック。初披露のライブで、前奏部で踊る麦田ひかるを見てあまりの美しさに泣いた。「感染症」を歌詞に含み、コロナ渦の時代と真正面から切り結んで、壊れかけた日常を生きる僕たちに寄り添ってくれる稀有な存在感を発する楽曲。デビュー時から変わらずに育んできたグループの核にあるものがついに時代そのものとシンクロする様を目の当たりにした。この歌と同じ時代に生きていて本当に良かったと心から思える一曲。グループの陽の部分を前面に押し出した「ポイポイパッ」と悩んだがこちらを挙げたい。
2位 ストロベリーフロート / 東京女子流 :2.5pts.
  素晴らしい。グッドミュージックのひと言しかない。デビューから10年以上が経過して紆余曲折あったものの楽曲の安定感が一向に失われないのはもはや奇跡。音楽的にはブラックミュージック/ファンクの流れに回帰してニュージャックスウィングに大きく寄せていて好ましい。ちょっとラップっぽい部分もちゃんとあって、ジャンルミュージックへの気骨のある目配せは健在で嬉しくなるし、ライブで観ても、細かなニュアンスを歌いこなせる力をつけたグループなんだと思う。
3位 YES / Pimm's :2pts.
  「それでもLife goes on!」という歌詞がある。Pimm'sはずっと「それでも」の部分を強く強く歌い続けていて、今作はまさにその中心を射貫くような一曲になっている。スタンダードなバンドサウンドに乗せて、真っ直ぐに自分たちのアイデンティティを歌い切っている様が気持ちいい。歌詞にさらっと挿入された「今は謎の渦の中で」というフレーズは、真っ白なキャンバス「わたしとばけもの」と同じくコロナ渦についての言及という意味で現実と対峙する矜持を感じさせる。去年のワンマンで披露された「SKY'S THE LIMIT」、今作に続いて出た「SUNDAY MORNING」も好き。信頼できるグループだと思う。
4位 Freely / PassCode :1.5pts.
  一番メンバーチェンジしちゃいけないグループがメンバーチェンジしちゃったということでしばらく聴けなかった。でも吹っ切るしかないんだなというくらいの良曲。勢いや威圧感と同時に遊び心もあって、結果泣けてくる。なによりも最適なメンバーが後を継いだことに安堵といった感じでしょうか。自らを鼓舞するような攻撃的な歌詞もぐっとくる。武道館行きたくなってきた。
5位 サチアレ!!! / あゆみくりかまき :1pts.
  数回ライブを観た程度でファンというわけではないのだけど、音楽グループが最後に世に送る作品としてここまで真摯な楽曲を生み出せるという事実に驚かされた。飾りっけ一切なしで、これまでの道のりへの肯定と周囲への感謝であふれていてとても愛らしい。

インディーズ_地方アイドル楽曲部門


1位 綺麗だ。 / situasion :3pts.
  ノミネートされた楽曲に限れば、今年自分が最も衝撃を受けたのはsituasionの作品群。「青のダリア」はトレンドにアプローチして勝利している気がするし、アルバム『debutante』収録曲の数々はハウス/クラブミュージックを基盤に快楽のツボを押さえまくって素晴らしい。中でもグループのテーマ曲「What the fuck is this situasion」は何度聴いても死ねる。ライブで映える「anti anti roman」もいいし、「最悪な状況」も好き。コンセプトアルバム『KAWARA GIRLS』も一曲一曲個性が強い。そしてそれらをさらに上回ると思うのが「1988」「綺麗だ。」「from a distance」の人生三部作と呼ばれる3曲で、今回は「綺麗だ。」を選んだ。終盤の、ラスサビ転調半音上げで、同一フレーズを壊れた機械のように繰り返すことで生まれる異常なグルーブと疾走感が凄まじい。
2位 float / I to U $CREAMing!! :2.5pts.
  ゴシックの世界観を基調に活動を進めてきたアユスクが会心ノ一撃プロデューサー鬼才KUMA氏と組んで生み出したとんでもない完成度のシューゲポップ。何も知らずに観ていたライブで体験して死にかけた。同じ路線であればRAYの一連の作品、去年だとステラシュガレットの「pathos」とか狂ったように良い楽曲が思い出されるけれど、静謐と轟音の対比ということでは、この作品のインパクトに勝るものはないと思っています。
3位 シガテラ / 会心ノ一撃 :2pts.
  ”エモい”楽曲は次々と出てくる中で、一個の頂点を極めたんじゃないかと思うのがこれ。アイドルソングには珍しい心地よい低音ボーカルが続いたと思ったら、サビ部分で響き渡る(ライブでも音源並みかそれ以上に響き渡る)轟姫めるの高音で一気に持っていかれる。この声質の急展開がどうも癖になって仕方がない。あまりライブに行っておらずファンですとは言い難いが仕方がない。生きる上で出会う様々な困難をシガテラ=食中毒にたとえ、それらを全て喰らい尽くすと書くメンバーによる強靭極まりない歌詞も圧巻。全部を愛する。
4位 One / 我儘ラキア :1.5pts.
  新木場スタジオコースト ツアーファイナルで観た景色が全てです。
5位 ユカイダンサー / Devil ANTHEM. :1pts.
  テクノ/EDMの構成でオタクの快楽中枢を刺激するアイドルポップスの最高峰じゃないかと思う。基本的に”アゲ曲”なんだけど、デビアンの楽曲が持つ「あの日」の青春感がそこに加わってちょっと寂しさとか儚さ、エモさを感じさせるのがまたいい。この辺の感情を喚起させる作品作りではこのグループは群を抜いていると思うし、現時点での最新の成果が「ユカイダンサー」ではないでしょうか。

アルバム部門


1位 『共創』 / 真っ白なキャンバス :3pts.
  最初に140字の小説が楽曲の数だけあり、それに合わせて異なるクリエーターが楽曲を提供するというコンセプトゆえに、世界観は多面的で多彩に、しかしブレることなく完成された大傑作アルバム。メジャーの力をクリエイティブの面で十全に利用したという意味で高い志を感じさせる。初期メンバー小野寺梓の作詞曲がラストにおかれ、グループの過去と未来が鮮やかに描かれて作品が幕を閉じる構成も美しい。いくら言葉を費やしても言い足りることはない。
2位 『曖昧なアルバム1』 / 美味しい曖昧 :2pts.
  カッティング天国。これだけカッティングを多用した楽曲をおしげもなく投下し続けるライブが楽しくないわけはなく、今年は大いに浴びまくった。楽曲だけでなくメンバーのバラバラな声質、ダンスパフォーマンスも最高で「ライブで観たくなる」グループだと思う。
3位 『The absurd is the essential concept and the first truth』 / 代代代 :1pts.
  音のるつぼ。一個のアルバムとしてこれほど密度の濃い作品もなかなかない。聴くと疲れるのがまたいい。

推し箱部門


真っ白なキャンバス
  一生推します。