メジャーアイドル楽曲部門
1位 わたしとばけもの / 真っ白なキャンバス :3pts.
歌詞が、曲の展開が、ボーカルが、ダンスパフォーマンスが、全てがエモーショナルでドラマチック。初披露のライブで、前奏部で踊る麦田ひかるを見てあまりの美しさに泣いた。「感染症」を歌詞に含み、コロナ渦の時代と真正面から切り結んで、壊れかけた日常を生きる僕たちに寄り添ってくれる稀有な存在感を発する楽曲。デビュー時から変わらずに育んできたグループの核にあるものがついに時代そのものとシンクロする様を目の当たりにした。この歌と同じ時代に生きていて本当に良かったと心から思える一曲。グループの陽の部分を前面に押し出した「ポイポイパッ」と悩んだがこちらを挙げたい。
2位 ストロベリーフロート / 東京女子流 :2.5pts.
素晴らしい。グッドミュージックのひと言しかない。デビューから10年以上が経過して紆余曲折あったものの楽曲の安定感が一向に失われないのはもはや奇跡。音楽的にはブラックミュージック/ファンクの流れに回帰してニュージャックスウィングに大きく寄せていて好ましい。ちょっとラップっぽい部分もちゃんとあって、ジャンルミュージックへの気骨のある目配せは健在で嬉しくなるし、ライブで観ても、細かなニュアンスを歌いこなせる力をつけたグループなんだと思う。
3位 YES / Pimm's :2pts.
「それでもLife goes on!」という歌詞がある。Pimm'sはずっと「それでも」の部分を強く強く歌い続けていて、今作はまさにその中心を射貫くような一曲になっている。スタンダードなバンドサウンドに乗せて、真っ直ぐに自分たちのアイデンティティを歌い切っている様が気持ちいい。歌詞にさらっと挿入された「今は謎の渦の中で」というフレーズは、真っ白なキャンバス「わたしとばけもの」と同じくコロナ渦についての言及という意味で現実と対峙する矜持を感じさせる。去年のワンマンで披露された「SKY'S THE LIMIT」、今作に続いて出た「SUNDAY MORNING」も好き。信頼できるグループだと思う。
4位 Freely / PassCode :1.5pts.
一番メンバーチェンジしちゃいけないグループがメンバーチェンジしちゃったということでしばらく聴けなかった。でも吹っ切るしかないんだなというくらいの良曲。勢いや威圧感と同時に遊び心もあって、結果泣けてくる。なによりも最適なメンバーが後を継いだことに安堵といった感じでしょうか。自らを鼓舞するような攻撃的な歌詞もぐっとくる。武道館行きたくなってきた。
5位 サチアレ!!! / あゆみくりかまき :1pts.
数回ライブを観た程度でファンというわけではないのだけど、音楽グループが最後に世に送る作品としてここまで真摯な楽曲を生み出せるという事実に驚かされた。飾りっけ一切なしで、これまでの道のりへの肯定と周囲への感謝であふれていてとても愛らしい。
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