第8回アイドル楽曲大賞2019 >> 個人ページ からだすこやか茶

投票者情報


ニックネーム:からだすこやか茶


メジャーアイドル楽曲部門


1位 Last Cinderella / 寺嶋由芙 :3pts.
  ヤマモトショウ、宮野弦士、西寺郷太など著名な作曲家が楽曲提供してきた寺嶋由芙に、気鋭のシンガーソングライターkiki vivi lilyが作詞・作曲・編曲と全面参加したナンバー。禁断を破って夜に誘われる真面目な女性の心情が、ウィスパーやファルセットを巧みに歌いこなすゆっふぃーによって見事に表現されている。加茂啓太郎のプロデュースが光る名曲。
2位 曇天 / 私立恵比寿中学 :2.5pts.
  私立恵比寿中学の名盤『MUSiC』から。エビ中に「面皰」「日記」を提供してきた吉澤嘉代子の新曲は、湿っぽい恋愛模様を描く大人な雰囲気。ソファーの隣にいるはずなのに、今や心が遠くに離れつつあるカップルの、重苦しい室内の情景が、憂鬱な曇り空に重ね合わされる。現在、メジャーで最も挑戦的な音楽を送り出していると評されるエビ中の、さらなる可能性を期待させる一曲。
3位 knock!knock! / sora tob sakana :2pts.
  楽曲派筆頭sora tob sakanaの初メジャーアルバム『World Fragment Tour』のリード曲であり、ライブの定番曲。照井順政のエレクトロでポストロックな近未来的世界観に、インド舞踊を思わせるオリエンタルな間奏まで融合して、最早サイバーパンクの世界に迷い込んだかのような没入感を覚える。最近はポップな楽曲に傾きがちなオサカナだが、個人的にはこれくらいのバランスがベスト。現場のクソデカいアンプで体感しろ。
4位 天国とブギー・ジャム / バンドじゃないもん! MAXX NAKAYOSHI :1.5pts.
  アイドルはプロデュースで9割が決まると言われるが、楽曲にも同じことが言えるのではないか。寺嶋由芙『君にトロピタイナ』、Negicco『愛のタワー・オブ・ラヴ』しかり、アイドルが従来持っている個性と、音楽史からの引用を結びつけるマッチングセンスにおいて、西寺郷太の右に出る者はいないだろう。70年代ディスコなトラックと、甘いボイスのラップのあいだの絶妙な移行、マーヴィン・ゲイやミリ・ヴァニリの登場する遊び心が溢れる歌詞もたまらない。西寺を指名した甘夏ゆず、大桃子サンライズのセンスにも驚かされる。
5位 角を曲がる / 欅坂46 [平手友梨奈] :1pts.
  「君は平手友梨奈を知っているか?」という問に、私達はYesと答えられるだろうか。手に捉えたかと思えば、すぐさま指の隙間から逃れ、どこかに消えてしまいそうなほど儚く、虚ろげで、他の誰にも代えられない唯一無二の固有なるイメージを、我々はとりあえず平手友梨奈と呼んでいる。硬質なコンセプトがアイドルの不自由を招くのではと危惧される欅坂だが、破綻を予感させる危うげで刹那的魅力が、目を離せないほど魅力的であることは疑いない。願わくば、その先に彼女たちの笑顔があってほしい。何しろ私たちは「戦国時代」や「残酷ショー」を超えた時代に生きているのだから。

インディーズ_地方アイドル楽曲部門


1位 茜 / tipToe. :3pts.
  地方都市の学校に通う少女たちが演じる、日中や放課後のふわっとしたポップな明るさが前作『magic hour』のテーマならば、夕刻から夜に至る時間の変化とそれに伴う切なさ、そして内側から静かに溢れ出す行き場のない情熱を歌い上げたのが『daydream』だろう。中でも本作は、恋心を抱きながらも、それを伝えられないまま、茜色の空を見上げる少女の満たされない思いが、ギターの印象的なサウンドと共に、前作より声に厚みを増したtipちゃんによってこれ以上ないほどエモく歌われる。「みんなで青春しませんか?」がコンセプトのアイドルのひとつの到達点。本年度ベスト。
2位 タイムマジックロンリー / nuance :2.5pts.
  佐藤嘉風、フジサキケンタロウ、劇団鹿殺しの試行錯誤の果てに生み出させたキメラ的なイカれた楽曲。定型を破った構成、異常なコード進行、随所に挿入される謎のオッサンのセリフに、高速の歌詞が詰め込まれ、他のどのアイドルソングとも似つかない強烈な個性を放っている。高密度な音楽が矢継ぎ早に展開するので、ライブでもオタクに休む暇が与えられずとにかくブチアガる。映画でのハリウッドに対するニューヨーク派のように、東京に対する横浜派とでも呼ぶべき独自の存在であってほしい。
3位 バタフライエフェクト / RAY :2pts.
  For Tracy Hydeの本格的なシューゲイザーでオルタナティブなサウンドが気持ちよすぎる名曲。音圧の強い轟音ギターと無垢で繊細なボーカルの組み合わせが絶妙で、「ジャンル✕アイドル」の掛け算には無限の可能性があると確信させられる。ノイジーな画面に夜の風景や少女が断片的に映り込むMVもGOODシューゲイジング。そうすべてはLoveless。
4位 極LOVE浄土 / クマリデパート :1.5pts.
  EDM調の楽曲中心だったクマリデパートが、編曲にダンス☆マンを迎え、ハロプロ方面のアイドルディスコへと大胆な路線変更を行った一曲。「平和」と「令和」の押韻、「マジ卍」「タピタピ」といった流行の記号を散りばめ、日本の未来を応援するという、露骨なモー娘。イズムの反復には、衝撃と共に感動させられる。カップリング曲『眠れない夜は。』は、こちらも明白にPerfume『マカロニ』を意識しており、アイドルの歴史を継承して、なんとしても売れてやるという強い意志も含めて応援したい。
5位 ヒューリスティック・シティ / フィロソフィーのダンス :1pts.
  奥津マリリのサビにはじまる印象的メロディで聴くものすべてのハートをガッチリとらえるフィロのスの優勝ナンバー。従来の80'sファンク、ポップから、90'sテイストも取り込み、そのサウンドはさらに表現の幅を広げている。ソウルフルな歌声の日向ハルと、個性的なアニメ声の十束おとはなど、本来ならば同居できないほど多様なメンバー全員の持ち味が、これまで以上に引き出され、完成された統一感を表現している。フィロのス最高。つまりは宮野弦士最高。

アルバム部門


1位 『daydream』 / tipToe. :3pts.
  
2位 『town』 / nuance :2pts.
  
3位 『@LBUM ~Selection 2014-2019~』 / WHY@DOLL :1pts.
  

推し箱部門


tipToe.