アルバム部門
1位 『BULLHANEUM』 / IVOLVE :3pts.
僕はIVOLVEのオタクじゃないけど、「Discovery」「的なEasy」「テンプラ(カバー)」……フロアを狂気の渦に巻き込んできた楽曲がちゃんと1枚のアルバムにまとまったことは、今の不安定なアイドル界において事件だと思う。
IVOLVEの楽曲の真価はライブで発揮される。適度に爆音で鳴ってるととにかく感情が高ぶってくる。踊り歌うメンバーをいつの間にか好きになる。技術とかなんとかの領域を超えて、なんか妙な――それこそやけっぱちな情熱が、IVOLVEのライブには込められている。
IVOLVEがもし終わったとしてもこのアルバムは折に触れて聴きつづけるような気がする。それで「ハイフライフロウ」が流れたあたりで、あの日どこかのイベントで観たライブを思い浮かべて、全力でフロアをぶち上げようと汗だくでがんばっていためちゃくちゃかっこいいメンバーたちのことを思い出して、ちょっと泣きそうになる気がする。
2位 『片手分のファンタジー』 / マリオネッ。 :2pts.
出す曲がことごとく強いという点では白キャンと双璧をなすといっていいグループが生んだ、ポップロックの玉手箱。ジャズ、ロカビリーみたいな割とオールディーズ寄りのエッセンスを散りばめた曲から耳馴染みの良いメロコア、エッジの効いたギターロックなんかの90年代風バンドサウンドまで、収録作は異様に幅広い。思いのほか緻密なつくりをしていながら、でもマニアックにならずにひたすら楽しさに奉仕する楽曲群が好き。個人的にはプロデュース面での計算高さが若干鼻につくけど、聴けばあぐあぐしたくなる名盤でしょう。
3位 『chronicle』 / クロスノエシス :1pts.
旧HAMIDASYSTEMメンバーを中心につくられた四人組グループの1stは強靭な美意識に貫かれた傑作アルバム。好き。コンポーザーが変わらなかったのが本当に救いで、ハミシス時代以上に深く深く、暗部へと沈み込んでいく音像がたまらない。サブカルからゴシックへとか書くとちょっと安易なんだけど、本気でやってればそれは絶対かっこいい。
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