メジャーアイドル楽曲部門
1位 はりぼて / CYNHN :2pts.
楽曲自体の良さは勿論として、まずなにより『曲が歌い手に似合っている』という感想が先に出る。
総じて上手い個性豊かな6人のボーカルに介在し、誰一人としてその魅力を殺すことなく調和を以て成立させている事が素晴らしい。
およそ歌手の技量が追いついていない高度な楽曲や、逆に歌い手の魅力を引き出すに足りない不似合いな楽曲との組み合わせは今まで少なからず見てきたが、こんなに歌い手に『ハマっている』楽曲はそう聞いたことがない。
人の前に出ず、かといって後にも遅れず、ただ力強くこの時の6人の隣に並び立っているような等身大のスケール感と、これからグループが大きくなっていくにつれて一緒に歩を進めて成長していけるような壮大な伸びしろを感じる曲だった。
2位 overture / 虹のコンキスタドール :2pts.
「overtureが好きになれないグループにはそもそもの感性が合わないのでハマりづらい」という自論がある。
逆に言えばほぼ毎回流すovertureには、グループのカラーやセンスが集約され、名実ともに名刺替わりになるものだと思っている。
こと良曲揃いの虹コンに関して危惧されるのは、逆にそんな名刺が楽曲群の濃さに埋もれることだが、そんな心配は一切いらないほどこのovertureが素晴らしい。
黄金期ハロプロを見て育った世代としてダンス☆マンの作る音には無条件で体が反応してしまうし、この曲をバックに大勢のメンバーが舞台に上がる様は壮観の一言に尽きる。
全体的に好きな虹コン楽曲を代表して投じる意味での一票。
最高に華麗な48秒の宣戦布告。
3位 Hello No Buddy / callme :2pts.
コンテンツが増えるにしたがい出会い頭の数秒で興味を引ける「点」のアプローチに時代が偏っていく一方で、対局にある「線」のアプローチが日増しに廃れていくように思う昨今。
ベテランかつトータルセルフプロデュースという要素に裏付けされた作品への自信があるからこそ生まれる落ち着きや、「間」を聞かせることのできる余裕に一筋縄じゃない凄味を感じる。
美しい音楽性とほのかな逡巡を感じる歌詞との対比が絶妙で、冬にこそ聞きたい良曲。
4位 言選り / Maison book girl :2pts.
点はいくつ打つと線になるのか。
線はどう伸びてどう曲がれば文字になるのか。
文字はどう連なれば文になるのか。
文はどう組み合わせれば詩になるのか…etc
変拍子の中に単発の効果音を詰め込んだ緻密な点描画のようなこの曲を聞きながらそんな事を考えました。
スッキリしたタイトルにも「人が言葉を選ぶ」事と、「口にする言葉が今後形成される人間性を選び取っていく」という二重の意味を感じました。
AIが主に作詞を担当している事も近未来的なエッセンスを添えていて好きです。
5位 卒業ラブテイスティ / たこやきレインボー :2pts.
プレイヤーメインの時代から更に進化した今の大塚愛を感じられる名曲。
派手さやギミックに頼らない穏やかな抑揚の中に『女子目線のカワイさ』が詰まっている気がする。「メロウ」や「エモい」の三文字で雑に片付けず黙って正座して聞け全日本男子!
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