楽曲部門
1位 アドレナリン・ダメ / つばきファクトリー :3pts.
冒頭いきなり「こんなんじゃダメ」と歌い出すのがキャッチーで心をつかまれました。
音源で聴くととにかくラ行の音が耳に残ります。「心 アドレナリンで」の「ロ・レ・リ」はもちろんのこと、「後から来るの疲労感」の「ラ・ル・ロ」や、サビ終わりの「ちゃんとしろ」の「ロ」、さらに「やさしくされちゃったら」の浅倉さんの「レ・ラ」、2コーラス目Aメロの「ズルズルじゃん?」の小野さんの「ル・ル」など。
一度だけ唐突に出て来る「オキシトシン」という単語もアクセントとして効いていて、このあたりもニクイ。
疾走感や焦燥感があるギターに目が行きがちですが、印象的なイントロなどホーンアレンジも絶妙。
作曲者でもある中島卓偉のバックコーラスは言わずもがな。
2位 待ち合わせはJR梅田駅で / CHICA#TETSU :2.5pts.
やっぱり児玉雨子は天才で、「JR梅田駅」のワンワードをバズらせ、その存在しない駅名だけで一編のショート・ラブストーリーを書き上げてしまう手腕はさすが。
「もうええわ」の関西弁も楽しい。
松原正樹を思わせるようなメロディアスなエレキギターが入るあたりはもろに松田聖子のモチーフですが、ずっとチッチキチッチキ鳴っているシンセドラムのハイハットは『天国のキッス』というより『ハイスクールララバイ』。「ラービリーンス」の男性多声コーラスはちょっとあっても良かったかも。
ダメ押し的に「待ッち合わせは」で転調するなどフックが満載のアレンジ。
なぜかCHIKATETSU楽曲はTikTokとの相性もいいんですよね。
インストバージョンが欲しかったのでシングルとしてリリースして欲しかったです。
3位 よしよししてほしいの / モーニング娘。'21 :2pts.
「よしよししてほしい」というフレーズは口に出して見るとそれほど語呂はよくないのに、サビでリフレインすることでとても印象的なフレーズになっています。
その前段にハイトーンの「センチメンタル少女」とあって、「今夜の終わりが来たなら眠る/今夜の終わりがいつだかわからない」とパンチラインの応酬。特に「防御ですから」のくだりはインパクト大。
「よしよしして」のウィスパーコーラスのあとに間奏が20秒以上あるのも特筆。体感的にはもっと長く聞こえるような気がしますが、サブスク非解禁だからこその贅沢な時間の使い方をしているなとも思いました。
4位 G.O.A.T. / Juice=Juice :1.5pts.
『terzo』のDisc 2に収録された新曲はいずれも粒ぞろい。年上組による『Mon Amour』の情熱的なところはJuice=Juiceの真骨頂だし、年下組による『雨の中の口笛』はグループ名の由来にもあるようにフレッシュで、『ノクチルカ』はハロプロ初作曲でもある松井寛ワークスが光っていますが、泣く泣く一曲だけを選ぶとしてこちらにしました。
どこか懐かしさのあるメロディラインはポップで瀟洒な雰囲気があるのも都会的なJuice=Juiceと合っていると感じました。最近では珍しくなったフェードアウトで余韻を残しながら終わるのも恍惚感があって良かったです。
5位 ミラーボール・ホリック / 道重さゆみ :1pts.
曲名からも連想されるようにディスコサウンドを鈴木俊介がアレンジ。そこに道重さんの個性的なヴォーカルが乗ることで、ベタな楽曲ながらもオリジナルな仕上がり。個人的にはもうちょっと評価されても良いと思います。
『SAYUMINGLANDOLL~未来~』公演自体がアメリカ音楽史をモチーフにしていて、せっかくコンセプチュアルな楽曲群なのだから、細切れの配信ではなく最初からアルバムとしてリリースして欲しかったところです。
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