メジャーアイドル楽曲部門
1位 ひかりのはなし / adieu :3pts.
作詞作曲FINLANDS塩入冬湖、編曲Yaffle。Charaとアイナ・ジ・エンドを思わせる強烈な塩入冬湖ヴォーカルの代わりに、上白石萌歌のとても柔らかく澄んだ声、ノスタルジックで素朴なメロディー、緩やかに立ち上がる幽玄な空間使い、パッド系シンセの不穏さと揺らめき、終始豊かなベース。2バース目からは更に波打ち、次第に悲しみとよろこび、全てを大きく包み込む、Yaffle音像の傑作。ハイレゾでどうぞ。
2位 The Great Mermaid / LE SSERAFIM :2.5pts.
"hitman" bang、パンPDとAnne Judith Wik、Nermin Harambasic、Ronny Svendsen らのノルウェーDSign Musicチーム。シンプルで重たいドラムセットに分厚いシンセリフ一本で押し切る、往年のEBM(Electronic Body Musicの方)をアップデートしたような、Nitzer EbbやFront 242の汚いおっさんボーカルを乗せても絵になるタフなサウンド。色々あって不遇な曲だからこそ、ドームライブの最後にこの曲で光の中に消えていってほしい。シェイクスピアやギリシャ神話を引用し、どんなに強く気高く振舞っていても、自ら常に背水の陣を敷く切羽詰まった余裕の無さと、過去から這い上がる貪欲さに満ち溢れている、そこが他のK-POPガールズグループにはないひりつくような美しさ。
3位 Find me! / lyrical school :2pts.
作詞valknee、作曲Lil Soft Tennis/valknee、編曲Lil Soft Tennis。後期スーパーカー的なレイト90sオルタナ/シューゲイザーのレイドバック感と、それに相反するトラップ以降の触れがたいほどの鋭角なメンタルとビート感。再びその一幕を終えたリリスクの風景と重なってみえる、そこにあるのにそこにない、闇雲に歩いた先で、遠い町で、いつかまた会いましょう。
4位 マッシュ・ド・アート / わーすた :1.5pts.
作詞やしきん、作曲田中秀和、編曲岸田勇気。田中秀和のCymbals直系コードワーク、手数の多さ。経過音の不穏さ/解決でアッパーの過剰な繰り返しに振り回されるこの感じ、ライブアイドルを推すという行為にとても近い。
5位 ジェリーフィッシュ / 上白石萌音 :1pts.
作詞Makoto ATOZI、 作曲編曲金子隆博。いきものがかり/橋本絵莉子/森山直太朗/ヨルシカといった楽曲提供陣、昭和平成カバー集など、基本的にNHK女優らしい姿勢のいい真っすぐなポップスを歌ってきた上白石萌音が、米米CLUBホーンのフラッシュ金子と「カムカムエヴリバディ」劇伴繋がりで共演したジャジートラック。この曲と同アルバムのスカパラ提供「愛すべきブルー」、ジャズスタンダード「Tea for Two」の計3曲は、ジャズを扱ったドラマの延長なのか、これまでと違う、大人の色香を纏っている。
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