アルバム部門
1位 『ネクストリコ』 / Next☆Rico :3pts.
「いち、じゅう、ひゃく、せんまん....いち、じゅう、ひゃく、せんまん....」と、イノキボンバイエの節回しで囁きながら、指を「1」の字に見立てて振り付けが、たけのこの里のよう。アブラカダブラなシンセリフがレディーガガ「JUDUS」風味で、ストリングスラインにゴダイゴも入ってギラつきが加速する「キセキなんだBillion」が秀逸。ユーモラスな入り口から最終的に良い曲、に着地させるなんて誰が書いたのだろう?と思ったら、コバヤシユウジで大納得。その他作家陣は、宇田川翔、湯原聡史らで、サイバーエレクトロポップなど既発配信音源を全て含んだ1stアルバム。以前はStand-Up! Next!と名乗っていたが、2021年から現名称。志村千代丸率いるStand-Up! Recordsの一員。
2位 『アトラクションスター』 / no Filter :2pts.
静岡のロコドルで、音楽プロデュースは近藤薫のmiuzic。すなわちアレンジャー陣も沢頭たかし、HASSEと信頼のメンツ。元気ロックが多いが、例外的にボカロP・ゆたこが書いた「まるっとオッケー」が白眉。こういう通学路ラップが出てくるとつい投票してしまう。他にEテレ系オルガンディスコ「Can't Stop恋愛信号」や大団円バラード「シアワセニナルタメニ」、銀だこ限定販売だった「たこ焼きのうた」のリアレンジカバーなども。
アルバム次点はEXPG出身者で結成したボーカルグループ・iScreamの「i」で、アーバン+K-POP+R&B路線の傑作だったが、本人にアイドルカテゴリのつもりが無さそうなので見送り。GEM「No Girls No Fun」やモーニング娘。「ビートの惑星」、Juice=Juice「POPPIN' LOVE」を書いたErik Lidbomが大活躍、とココにメモ。
3位 『Gals Just Want to Have Fun』 / GALS :1pts.
昨年リリース済みのミニアルバム全曲収録に新曲を追加したアルバム。となると昨年のアルバムの存在意義が不明に......。大半はサウンドP四市田雲豹のエモ系だが、 今年度の「アンチジェネリックアイドル」だけがアーバンポストロック組曲(とでも言うんだろうか。) 粘っこいグラウンドビートから徐々にテンションを上げ、サビの四つ打ちに向かってスパークしていく大曲構成は、近年のTEAM SHACHIクラスのアプローチ。ポッと出のグループがやる音楽性じゃないだろう......。1曲だけ佐々木喫茶のチャイナダンス曲があり、喫茶の中でも屈指だが昨年リリース曲なのでここでは割愛。YOASOBI調のリリースカットピアノロック「Émile」も良。
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