第10回アイドル楽曲大賞2021 >> 個人ページ オノD

投票者情報


ニックネーム:オノD


メジャーアイドル楽曲部門


1位 ガールズトーク / 東京女子流 :3pts.
  今年発表の楽曲全てが申し分のない出来だった女子流。という事で今年の1位は女子流の楽曲の中からどれを選ぶか、という所になった。最後まで悩んだのがワ.ガ.マ.マ. - MURO's KG Remixとこのガールズトークの2曲。その中でもあえてこのガールズトークを選んだのは、松井寛さん時代のファンクネスを、現在の大人に成長した女子流をフィルターに通し、シックにアップデートした感じが凄く刺さったから。楽曲全体に漂う余裕感を自然体で落とし込めるようになった今の女子流は、間違いなくチェックしておくべきグループだと思う。
2位 7月のサイダー / 超ときめき♡宣伝部 :2.5pts.
  とき宣は元々楽曲のメロディーラインに「切なさ」を感じさせる部分が非常に上手いと前々から思っていて、例えば代表曲のむてきのうたや今年Tik Tokで海外でもブレイクした好きっ!についてもそれを感じる。今作、7月のサイダーは王道ラブソングが得意なとき宣の中では「恋人との失恋」を歌う異色の楽曲。切なさが全面にあふれる歌詞とメロディーをとき宣メンバーがエモーショナルに歌い上げることで、多くの人の胸に刺さる素晴らしい楽曲が完成した。
3位 TIME MACHINE / lyrical school :2pts.
  アルバム「Wonderland」からの先行配信の本曲は、現在のHipHopシーンにおける最重要トラックメーカーの一人と言っても過言では無いKMをプロデュースに迎え、リリスクの新たな一面を引き出すことに成功した。チルで心地良いトラックがベースにありながら、情感あふれるフックのカッコよさは、HIPHOPのトラックメーカーが作るメロディーならでは。グループにおけるアイドル部分を担うhinakoに敢えて低音パートを任せた試みも、上手くハマった。
4位 テレフォニズム / フィロソフィーのダンス :1.5pts.
  昨年念願のメジャーデビューを果たしたフィロのス。しかし昨年発表した作品群は良くも悪くもジェネリック宮野弦士作品に感じられ、個人的にはちょっと不安な船出だった。そんな中で発表されたテレフォニズムは、フィロのスが意外にもこれまであまり通ってこなかったシティポップに真っ向から取り組むことで、メジャー後の新たなフィロのスの姿を打ち出すことに成功したと思う。シティポップが流行している海外でも非常に受ける楽曲じゃないだろうか。
5位 ポリゴンウェイヴ / Perfume :1pts.
  Perfumeに関してはもはやこの大賞で票を入れるのもどうかなと思ってしまう領域にいるのだけれども、今作ポリゴンウェイブは久々にグッときたので、外すわけにはいかんかという事で。3分という短い楽曲ながら大きく緩急をつけた展開の変化や、カッティングを盛り込んだセンス溢れるトラックづくりは本当にお見事というしか。願わくばオリンピックで彼女たちを見てみたかった。

インディーズ_地方アイドル楽曲部門


1位 So good / Megu (Negicco) :3pts.
  「私もラップやってみたい」というMeguのラジオでの何気ない一言を、lyrical schoolのプロデューサーのキムヤスヒロがキャッチし、リリスクチームが全面的にプロデュースする形で生み出されたSo Good。普段グループでは高めのキャンディボイスが武器の彼女だけれど、今作のような低めの声でのラップがこんなにもハマるとは思っても見なかった。MVで写し出される夜の街にぴったりなメロウでチルなサウンドとMeguのラップの組合せ。今年のアイドルラップ最高の一曲はこの曲だと思う。
2位 水硝子 / RYUTist :2.5pts.
  2020年を代表するアルバム「ファルセット」から1年、新進気鋭のクリエイター君島大空をプロデューサーに迎えたRYUTistが再び驚きの一曲をリリースしてきた。実験的で複雑なトラックや譜割りが強く印象に残る楽曲だが、落ちサビで顕著に感じられるメロディーの良さが実は根底にある。ファルセットの楽曲達と全く異なるアプローチで、インパクトのある強度の高い楽曲を生み出してきたRYUTist陣営のプロデュース能力には、もはや脱帽するしかない
3位 Lucky Number / アメフラっシ :2pts.
  昨年発表のメタモルフォーズから、流行のK-Pop感あるサウンドを真っ向から取り入れる方向性にシフトチェンジし、大きく飛躍したアメフラっシ。満を持して発売となった全国流通のEPでもそのサウンドを中心としつつ、本曲のLucky Numberではそこにシティポップの要素を加える事で、非常に現代的かつおしゃれな楽曲に仕上げてきた。他のスタダグループと全く違うアプローチを試みている彼女たちは、今本当に面白いグループになっていると思う。
4位 深海 / fishbowl :1.5pts.
  今年デビューを果たした静岡発アイドル、fishbowl。彼女たちのデビューシングルとなるこの深海は、文学的な歌詞にクールさとポップを両立させたメロディーが印象的な、デビュー曲と思えない非常に完成度の高い楽曲。こんな面白い楽曲を作るグループが突然現れた事に驚きつつも、サウンドプロデュースを務めるのが、これまでフィロのスやukkaの楽曲を手掛けてきた、楽曲大賞お馴染みのヤマモトショウと知り大いに納得。
5位 juvenile / jubilee jubilee :1pts.
  恥ずかしながらアトロクで知ることとなった山陰発、現在は二人組で活動中のJubilie Jubilie。ポップながらもおしゃれで上品さが漂うこのジュブナイルを手掛けたのは元school food punishment、現siraphのキーボーディストの蓮尾理之。個人的にはこの楽曲からどことなくほわどるの雰囲気を感じていて、ほわどるが活動を終了した今、あの空気感と楽曲の感じを受け継いで行くのは彼女たちなんじゃないかと勝手に思ってしまった。

アルバム部門


1位 『Wonderland』 / lyrical school :3pts.
  直近2作でも存分に発揮されてきたコンセプチュアルな部分はそのままに、楽曲のバラエティさを大きく広げまたしても傑作アルバムを生み出したリリスク。アルバム作りの上手さはもはや職人芸の域。アルバムを通しで聞くという事はもはや古いのかもしれないけども、やはり彼女達のアルバムは最初から最後まで通しで聞いて欲しい。通しで聞くことで、アルバムの最後を飾る「SEE THE LIGHT」が映画のエンドロールのように感じられるはず。
2位 『東京インベーダー』 / いぎなり東北産 :2pts.
  アゲ曲中心の1stから楽曲のバリエーションが大きく進化。王道バラードにラップ、ニュージャックスイングにEDMまで取り入れたごった煮感はグループのパフォーマンスの幅を大きく広げた。白眉なのは「深夜特急」から「Whatever」で高い歌唱力を見せつける流れで、勢いだけでなく確かな実力を持ったグループになってきた事を強く感じられる。スタダにおいて歌唱力で圧倒的なものがあったエビ中を、追い抜き追い越そうとする成長曲線を楽しむ事が出来る良作。
3位 『Eternity』 / RINGOMUSUME :1pts.
  前作のアルバム発売後、瞬く間にお茶の間のアイドルとしてブレイクした王林ちゃんの勢いに引っ張られるかのように、精力的にシングルやセルフカバーアルバムを送り出していたRINGOMUSUME。今作はここ2年のこれらシングル曲を中心にしつつ、JOMONやSNOW MONSTERという新曲のダンストラックも光る名盤に仕上がった。2018年から青森に移住し、青森のカルチャーとRINGOMUSUMEの歴史を素晴らしいポップスに昇華しまとめ上げた、プロデューサーの多田慎也さんの仕事ぶりは見事。

推し箱部門


東京女子流
  今年の推し箱は発表曲全てが最高だった東京女子流にしました。といっても現場に全く行けてないので(そもそも今年行った現場数が圧倒的に減った)あまり大きな声では言えないのだけれども…とはいえ彼女達のこの1年発表した楽曲たちは、等身大の彼女達に今までの女子流が積み重ねてきたものが見事に結びついた素晴らしい作品ばかりで、そんな自分でも推し箱として選びたくなる、そんなグループでした。かつて彼女達を見ていた人達にこそ、今の女子流の姿を見て、そして楽曲を聞いてほしくなる。