メジャーアイドル楽曲部門
1位 Chopstick / NiziU :3pts.
ごくごく短いピアノ曲、1877年Euphemia Allen「The Celebrated Chop Waltz」を下敷きにした、これまたシンプルな構造の楽曲。それをここまでドラマティックに聴かせてくるJYPの若手作家Lee Hae Sol、K-POPの中でも割と保守的な彼の繊細で丁寧な編曲が原曲のコンパクトな優雅さと絶妙にはまった奇跡のよう。「Take a Picture」などEDM的な勢いで押し切るTrippy、餅ゴリを挟んで対照的な二人の関係性まで見えてきそうなNiziUの面白さ。
2位 テレフォニズム (Night Tempo Melting Groove Mix) / フィロソフィーのダンス :2.5pts.
狭義のシティポップのグルーヴとは相反するサイドチェインとコンプで四つ打ち金太郎飴的なNight Tempoの作風に正直飽き飽きしていたし、日本メディアが彼を扱うときに彼の広義の昭和ポップス愛に対して「シティポップ伝道師」と雑に扱うどうしようもないズレを見るたびに微妙な気持ちにさせられることも多いのだけれど、それはそれ、これはこれ。このリミックス、ワンコーラス終えた所で現れる十束おとはヴォイスのチョップアンドループの気持ちよさにはどうにも抗えない
3位 プライベイト / DIALOGUE+ :2pts.
UNISON SQUARE GARDEN田淵智也プロデュース、9mmParabellumBullet/フジファブリック/ONIGAWARA/ScoobieDo/パスピエ/THE KEBABS/ヒトリエ/PENGUIN RESEARCHらがアルバムに参加する8人組声優ユニット。この曲はアイマス楽曲をメインに手掛ける睦月周平作曲編曲。作風がない、発注に沿って何でも書く作風とのことだが、スラップベースとストリングスが派手に踊る陽気な90sJ-POPレトロディスコマナーに、今のビートや音色を塗すバランスが絶妙(2バース後からのブリッジへの流れがぞくぞくする)。SMAPへの郷愁ばかりを求めてもしょうがないけれど、キラキラ王子様とK-POP踏襲が幅を利かすジャニーズ若手グループにも、またこんなにも明るいディスコポップを歌ってほしくなるほどの胸騒ぎ。
4位 ブラックペッパーのたっぷりきいた私の作ったオニオンスライス / 上白石萌音 :1.5pts.
上白石萌音カバー集、第一弾の70 年代に続いて第二弾の80~90年代編に収録されたスターダスト☆レビュー1982年の賑やかブギーな名曲は、大橋トリオの編曲で寒い冬にはお家で温かいシチューを召し上がれ的な温かさに。優しさ、透明感、輪郭の曖昧さなどの上白石姉の声の特徴を淡々とトラックにフィットさせていく職人技。
5位 SEE THE LIGHT / lyrical school :1pts.
現体制アルバム3部作のラストを飾る、泉水マサチェリーと大久保潤也(アナ)によるゴスペルやフィラデルフィアソウルの魂を受け継ぐ大きな愛の歌。一つ前のシューゲイザー曲「Curtain Fall」がタイトル通りに3部作の終幕であるならば、これは夜更けにスニーカーに紐を結び直してまた旅に出るための序曲。優しく静かで小さな夜を見つめ、Chance The Rapperの名作Donnie Trumpet & The Social Experiment「Sunday Candy」をリスペクトした中盤からのJuke/Footworkビート展開とともに、朝日と共に世界を照らす新しい旅が再び始まる。
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