第10回アイドル楽曲大賞2021 >> 個人ページ あけび

投票者情報


ニックネーム:あけび


サイト:あけび(ツイッター)


メジャーアイドル楽曲部門


1位 いつの間にSunrise / 22/7 :3pts.
  11月末で海乃るり、倉岡水巴の2人、12月末には、武田愛奈が卒業することが決まっており、更に10月末に高辻麗が契約解除。決してファンの心境も明るくない中開催された4thアニバーサリーライブ。新メンバーオーディションも控えており、これからグループとしてどうなるのかという不安を全身全霊を込めたパフォーマンスで見事打ち返し、2分強は続いたかもしれない鳴りやまない拍手の後、MCを挟んで最後に歌唱された楽曲。
大きな転換を迎えるグループ、そして、卒業した後のメンバーそれぞれの希望溢れる未来を優しく歌いあげたこの楽曲に、ファンの誰もが心を救われたと思う(私も含めて)。
サウンドでいえば、ビーイングのバラードが近いか。
詞は主人公を特定しない形で描かれていて普遍的で、往年の名曲を彷彿とさせる。苦しいときにそっと優しく寄り添い、これからの未来は必ず明るいと言ってくれる。
一聴すれば誰もが納得する名曲。
2位 もしも心が透明なら / 乃木坂46 [梅澤美波、中村麗乃、早川聖来、松尾美佑] :2pts.
  繊細かつ神秘的なピアノのイントロから始まり、全編を通してシックな世界観が繰り広げられる。
キャッチーさはまるでないのだが、反面、研ぎ澄まされた音使いに息を呑まされる最高に尖った楽曲だと思う。
特にズドンと響く重低音の中、ストリングスとファルセットが絡み合うサビは圧巻の一言。音響の抜群なホールで味わったらどんなに贅沢だろうか、と考えてしまう。
今年の乃木坂は、「Out of the blue」、「ごめんねFingers crossed」も非常に音作りに拘りが見られたが、一番ストイックさを感じたこの曲に投票する。
3位 あやふわアスタリスク / DIALOGUE+ :2pts.
  A→B→サビの1巡目は、しっかりと基本のメロディラインを聞かせてから、2巡目に切り替わるタイミングで、強烈なギターを挟み込んでくる。そこから展開されるのは、1巡目に大胆なアレンジを加えた、想像できないほど攻撃的なサウンド。さらに全く違う表情となったAメロの後にCメロが違和感なく挟み込まれると予想のまったくつかない曲展開。サビではまた1巡目の正統派なアレンジでこれで順当にラスサビとはいかず、また知らないメロが挿しこまれる。この終始ワクワクさせるような展開に魅了され続ける4分強が最高に贅沢。てんこもりな曲構成なのに、最後はしっとりとAメロのさわりを聞かせて幕引きというのが実にニクい。玄人が作ったと一発で分からせてくれるズルさにやられた。
DIALOGUE+は他にも、ドラマチックな詞展開で魅せる「謎解きはキスの後で」も候補だったが、曲展開で巧みすぎたこちらに投票。
4位 アディショナルタイム / 日向坂46 :1.5pts.
  表題曲の「ってか」もかなりサウンドに拘った楽曲だったが、この曲は更に数段上だった。
詞の展開に合わせたサウンドの演出が、とにかくズルい。
特に「ここでサヨナラなんて」の箇所の「て」のリフレイン→涙の音→サビの流れの“やりすぎ”感が最高。
関係が壊れる一歩手前で自分のプライドと葛藤するリリックも非常に良く、また、この葛藤が解決しないままに曲が終わってしまうところが、ラスサビ手前のCメロに入っている心音を際立たせているようで、もうエモの極み。
特に好きなのは、間奏。ギター&ピアノ→ピアノソロ→シンセサイザー→ギターソロとやりたい放題。
3位投票の「あやふわアスタリスク」が、巧みさ、鮮やかさで魅せる楽曲とすれば、こちらはまさしく質より量、あざとさで魅せる楽曲といったところか。
もともと落ちサビ等のあざとい演出が大好きなので、無事にノックアウトされた。
5位 SUNDAY MORNING / Pimm's :1.5pts.
  第9回でもPimm'sのバラード曲である「BOY MEETS GIRL」に1位票を入れたが、今回もPimm'sのバラードはヤバかった。
TOKYO GIRLS MIXTUREというコンセプトを掲げ、ラップを取り入れたメロコアのサウンドが特徴的なグループだが、聴かせる楽曲となると、とにかく美メロで攻めてくる。
「BOY MEETS GIRL」でもそうなのだが、本当にキーボードの使い方が好み過ぎる。特にサビ、のびやかでゆったりとした歌唱のバックでひたすらテンションを上げていくキーボードがとにかくいい仕事をしている。
ギターでいえば、間奏の箇所で、サビのボーカルラインをまんまギターでなぞったフレーズが挿しこまれるのが好きすぎて初めて聴いたときは思わず唸ってしまった。

インディーズ_地方アイドル楽曲部門


1位 トーキョーlast number / 覚醒のアドット :2.5pts.
  とにかくサウンドとrリリックが渋すぎる。
小気味良いリズムと、計算されつくした歌詞の音ハメが素晴らしい。リズムが跳ねるところに必ず「っ」が来るようになっているのが歌唱を聞いていて気持ち良すぎる。それでいて、決してストーリーは支離滅裂な物にはならず、夢を追いかけて上京したものの、上手くいかず挫折する周りの人達、そして同じく抗い続ける主人公の境遇が、丁寧に描かれている。
サビの「今夜はメランコリーなLady 笑ってくれよLonelyをBaby」という80、90年代かなと思わせるフレーズが全くダサくなく、むしろオシャレに聞こえてくるのはこの計算されつくしたリリックとサウンドの賜物だと思う。
間奏のギターソロを華麗にオルガンソロが奪い去っていく流れもまたニクい。何度も繰り返し聴いていくうちにどんどん深みにはまっていく、味わい深い名曲。
2位 Nirvana / MAPA :2pts.
  突然、文字通り消える形で幕を閉じたMaison book girl。その中心人物であったコショージメグミが、古正寺恵巳となって大森靖子とタッグを組んで結成されたグループがMAPA。TIF2021の開催直前にTIFデビューが発表され、半分嬉しさ、半分どうなってしまうんだろうという怖いもの見たさのような気持が同居している中で見たドールズファクトリーでのアクト。2曲目に披露されたのがこの楽曲。

コンテンポラリーな振り付けは、少し懐かしかった。
けどサウンドは、全く異質。
でもそれ以上に魅了された。

繊細で壊れそうなA→Bの歌唱と、それに続く太いファルセットのユニゾン。
美しくて刺刺しくて禍禍しくて、聴いているだけで複雑な感情で涙が出てくる。

諦観に満ちたようで、優しく強いリリックも相まって、大森靖子のアーティストとしての深みが、メンバーを通して何倍にも膨れ上がっているように感じた。

3位 無人島カルテット / カイジューバイミー :2pts.
  多分、バンド、アイドル、男声、女性も問わずに語っても、ここまで暴力的なザラザラしたボーカルを聴くことはあるだろうか。
ざらついた不安定なハスキーボイスを歌い出しから響かせるこの曲は、ド肝を抜かれて一気に好きになってしまった。
やはり歌い出しのスタンド・バイ・菜月の声に注目してしまうが、他のメンバーもそれぞれ特徴的で方向性の違う声色をしている。それが、またシンプルな曲構成を飽きさせないものにしていて、何回でも繰り返し、聞きたくなってしまう。

ちなみに、この楽曲が収録されている「純白 BY ME」が、とんでもなく素晴らしい名盤なので、是非アルバムを通して聞いて欲しい。
4位 電光石火ちょうだい / notall :2pts.
  3か月連続リリースの最後を飾った大人な魅力たっぷりで、かつ可愛らしさも兼ね備えたディスコナンバー。
「電光石火ちょうだい」と一見、意味を掴みづらいが、耳障りが抜群に良くて頭から離れないフレーズ。曲を聞き終わる頃には、自然と口ずさんでしまう中毒性は、この曲を作ったのが「青春アミーゴ」、「抱いてセンニョリータ」等を手掛けた人物と聞けば納得。
notallは、所謂お祭り系アイドルグループで、パフォーマンスは「楽しいの押し売り」とまで言われている。ユルいMCでお客さんとゲームをやったりした後に、この曲が披露されるという流れもこれまでに見た配信ライブでは実際に有り、ますます彼女らのパフォーマンスが彩り豊かになったと実感した。
是非とも生でその展開を体感したい。
5位 ババイ / 誰もシラナイ。 :1.5pts.
  ちょうど1年ほど前に名古屋で生まれたロックアイドルグループ。LEIWANやAIBECK等、所謂ツーステ/ラウドル界隈に突如として現れたのが、このグループ。
ティザーで発表された「バランスブレイカー」は歌い出しがK-POPフィーチャーと思わせてのギターが切り込んでダンサブルロックに切り替わる流れが見事で、とんでもないグループになるぞと予感させた。
その後もかなりのスピードで人気を伸ばし、KaMPFERという名盤をリリースした後にリリースされたのがこの楽曲。
「バランスブレイカー」から受け売りの、全く予想できないメロディ展開に、暴れ狂ったキーボードがとにかくカッコいいの一言。うねる様なイントロも凄まじい。
リリックも最高にキマっていて、「嫌なっちゃったって ワンチャン砕け再結合」等、どうメロディに乗せるか分からないリリックが完璧すぎるまでに乗っていて、このハイセンスさが終始続くのが堪らない。

アルバム部門


1位 『11という名の永遠の素数』 / 22/7 :3pts.
  とにかく全曲良い。
グループの歴史をたどる形の収録順でありながらも、アルバムを通して一つの物語が展開されているようで、途中の「ヒヤシンス」「空も飛べるはず」ももれなく名曲。そして最後の11曲目「11人が集まった理由」でしめるのが、とにかくアルバムの構成として完璧すぎる。
続く8thシングルへの橋渡し的立ち位置にもなっていて、22/7というプロジェクト自体が一つの物語だと感じさせることにも成功している。
間違いなく名盤中の名盤。
2位 『純白BY ME』 / カイジューバイミー :2pts.
  とにかく全曲良い。
メンバー4人の特徴的な声質と、確かな歌唱力。粗削りの青臭く懐かしいロックサウンドを存分に味わい尽くせる贅沢な名盤。
3位 『FlashBack NightMare』 / ぜんぶ君のせいだ。 :1pts.
  とにかく全曲良い。
アルバム全編をまとめて聴いた時の、曲同士の繋がりの良さが素晴らしい。
特に「ものの恋あはれ」から最終曲「落書きキセキ」までの流れが完璧すぎる。

推し箱部門


スマートオブジェクト.
  長崎でいよいよ本格活動を開始した。
出す曲出す曲のクオリティが毎回とんでもなく、ライブパフォーマンスも凄まじい。アイドルらしい天真爛漫さを残しつつも、ストイックな一面を見せてくれる素晴らしいグループ。
引き続きこれからも注目していきたい。