インディーズ_地方アイドル楽曲部門
1位 トーキョーlast number / 覚醒のアドット :2.5pts.
とにかくサウンドとrリリックが渋すぎる。
小気味良いリズムと、計算されつくした歌詞の音ハメが素晴らしい。リズムが跳ねるところに必ず「っ」が来るようになっているのが歌唱を聞いていて気持ち良すぎる。それでいて、決してストーリーは支離滅裂な物にはならず、夢を追いかけて上京したものの、上手くいかず挫折する周りの人達、そして同じく抗い続ける主人公の境遇が、丁寧に描かれている。
サビの「今夜はメランコリーなLady 笑ってくれよLonelyをBaby」という80、90年代かなと思わせるフレーズが全くダサくなく、むしろオシャレに聞こえてくるのはこの計算されつくしたリリックとサウンドの賜物だと思う。
間奏のギターソロを華麗にオルガンソロが奪い去っていく流れもまたニクい。何度も繰り返し聴いていくうちにどんどん深みにはまっていく、味わい深い名曲。
2位 Nirvana / MAPA :2pts.
突然、文字通り消える形で幕を閉じたMaison book girl。その中心人物であったコショージメグミが、古正寺恵巳となって大森靖子とタッグを組んで結成されたグループがMAPA。TIF2021の開催直前にTIFデビューが発表され、半分嬉しさ、半分どうなってしまうんだろうという怖いもの見たさのような気持が同居している中で見たドールズファクトリーでのアクト。2曲目に披露されたのがこの楽曲。
コンテンポラリーな振り付けは、少し懐かしかった。
けどサウンドは、全く異質。
でもそれ以上に魅了された。
繊細で壊れそうなA→Bの歌唱と、それに続く太いファルセットのユニゾン。
美しくて刺刺しくて禍禍しくて、聴いているだけで複雑な感情で涙が出てくる。
諦観に満ちたようで、優しく強いリリックも相まって、大森靖子のアーティストとしての深みが、メンバーを通して何倍にも膨れ上がっているように感じた。
3位 無人島カルテット / カイジューバイミー :2pts.
多分、バンド、アイドル、男声、女性も問わずに語っても、ここまで暴力的なザラザラしたボーカルを聴くことはあるだろうか。
ざらついた不安定なハスキーボイスを歌い出しから響かせるこの曲は、ド肝を抜かれて一気に好きになってしまった。
やはり歌い出しのスタンド・バイ・菜月の声に注目してしまうが、他のメンバーもそれぞれ特徴的で方向性の違う声色をしている。それが、またシンプルな曲構成を飽きさせないものにしていて、何回でも繰り返し、聞きたくなってしまう。
ちなみに、この楽曲が収録されている「純白 BY ME」が、とんでもなく素晴らしい名盤なので、是非アルバムを通して聞いて欲しい。
4位 電光石火ちょうだい / notall :2pts.
3か月連続リリースの最後を飾った大人な魅力たっぷりで、かつ可愛らしさも兼ね備えたディスコナンバー。
「電光石火ちょうだい」と一見、意味を掴みづらいが、耳障りが抜群に良くて頭から離れないフレーズ。曲を聞き終わる頃には、自然と口ずさんでしまう中毒性は、この曲を作ったのが「青春アミーゴ」、「抱いてセンニョリータ」等を手掛けた人物と聞けば納得。
notallは、所謂お祭り系アイドルグループで、パフォーマンスは「楽しいの押し売り」とまで言われている。ユルいMCでお客さんとゲームをやったりした後に、この曲が披露されるという流れもこれまでに見た配信ライブでは実際に有り、ますます彼女らのパフォーマンスが彩り豊かになったと実感した。
是非とも生でその展開を体感したい。
5位 ババイ / 誰もシラナイ。 :1.5pts.
ちょうど1年ほど前に名古屋で生まれたロックアイドルグループ。LEIWANやAIBECK等、所謂ツーステ/ラウドル界隈に突如として現れたのが、このグループ。
ティザーで発表された「バランスブレイカー」は歌い出しがK-POPフィーチャーと思わせてのギターが切り込んでダンサブルロックに切り替わる流れが見事で、とんでもないグループになるぞと予感させた。
その後もかなりのスピードで人気を伸ばし、KaMPFERという名盤をリリースした後にリリースされたのがこの楽曲。
「バランスブレイカー」から受け売りの、全く予想できないメロディ展開に、暴れ狂ったキーボードがとにかくカッコいいの一言。うねる様なイントロも凄まじい。
リリックも最高にキマっていて、「嫌なっちゃったって ワンチャン砕け再結合」等、どうメロディに乗せるか分からないリリックが完璧すぎるまでに乗っていて、このハイセンスさが終始続くのが堪らない。
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