メジャーアイドル楽曲部門
1位 暗闇 / STU48 :3pts.
おそらく今年一番聴いたんじゃないかという曲。初めはデビュー曲で「暗闇」ってというマイナスな印象から入って敬遠していたが、何かのきっかけで歌詞が耳に入ってきて印象が180度変わった。一番好きなフレーズは「故郷捨てて僕は絶対暮らせないだろう/水平線見えなければ今いる場所がわからない」というところで、自分も瀬戸内出身なのでこの感覚(特に後半部)はよく理解できる。STUの曲はどれも海という世界観を大事にしていてそこに好感を持っている。他の支店は曲の中に地域性というのを次第に持ち込めなくなる印象があるが、STUは独自性を歌詞世界でも維持できているので、これからも海の匂いがどこかしら漂ってくる歌詞を書いてもらえたらと思っている。振付もフォーメーションが案外複雑で見ていて飽きないので、よく出来てるなと毎度思う。
2位 シャンプーの匂いがした / 22/7 :2.5pts.
秋元康プロデュースの声優アイドルということであまり知られていない上に声優ヲタにはおそらく敬遠されているんじゃないかと思うが、楽曲群を真正面から聴いてみると、意外とレベルが高いし、坂道系と48系のいいとこどりみたいなレパートリーで受けは良さそうだが、あらゆる方面で正当な評価を受けられていないなと感じるグループ。中でもこの「シャンプーの匂いがした」はサウンド面でも歌詞の面でも相当クオリティーが高い。特に歌詞は「百合」的空気感が醸し出されていて、秋元にこんな詞が書けるんだなといわゆるアンチ的な「秋元」印を目にするだけで拒絶反応を起こすような人もおそらく驚くのではないかと思う。MVも昨今流行りのVTuber的な雰囲気で、グループ自体もどうにか売れないかなと思っているが、なかなか厳しい現状に見受けられる。それでも新しい楽曲を今一番楽しみにしているグループでもある。
3位 春はどこから来るのか? / NGT48 :2pts.
推しメンである本間日陽さんの初の表題センター曲として個人的に思い入れが深い。NGT48のコンサートでも鉄板曲になりつつあって、春をテーマにした曲ではあるが、今後も盛り上げたい場面で重宝されることになると思う。Aメロがかなりの低音まで下がって、そこから徐々に盛り上げてサビでは同じコードで2オクターブ分くらい上まで到達させていて、アイドルソングにしては相当音域が広くて歌うのは結構難しいので、メンバーには頑張ってもらいたいところ。歌詞がなかなかアイドルとの距離感を縮められないコミュ障系ヲタクの心情を代弁しているようで、身につまされる部分もある。さながら「推しはどこから来るのか?」という感じで、まさに「気づいたらヲタ」なのだ。推しメンとは会いに行ける内に会いに行こうと思わされる曲。小林勇貴監督によるMVも印象的かるある意味衝撃的だった。
4位 ナニカガイル / NGT48 :1.5pts.
推しメンである本間日陽さんのセンター曲であり、NGTのライブではもはやなくてはならない存在となっているくらいの盛り上げ曲。作曲も欅坂で一躍有名になったバグベアが担当しており、痒い所に手が届いた作りというのか、緩急併せ持ったライブ映えする一曲である。サビの出だしが1番と2番で微妙に違うメロディーラインになっていて不思議な曲だが、そのどちらもがキャッチーで甲乙つけがたく、捨てるには惜しいので、あえて両方採用したんだろうと勝手に思っている。MVも当時のNGT48の研究生まで含めた全メンバーをほぼ同等にフィーチャーしていて、ヲタ受けがかなり良かったと思う。せっかく選抜入りしたのに、有象無象の中に一瞬写り込むだけというのは、やはり悲しいものがあるので、大人数グループながら、これをやってくれたのは、センターのヲタではあるけど、嬉しいところはあった。
5位 輝いて ~My dream goes on~ / 田村芽実 :1pts.
現役時代は一番の推しメンだったので、卒業後、1年経って表舞台に復帰してくれたときは嬉しかったし、CDデビューまでこんなに早く果たすとは思っていなかった。楽曲的には、海外のアニメ映画のエンディングテーマみたいな風合いで、壮大な空気感の中、のびのびと感動的に歌声を響かせていて、圧倒される。今の「女優」と「歌手」の二刀流的な方向性をそのまま体現したような仕上がりで、「田村芽実とはこういう人物でこれくらいの実力がありますよ」と宣伝するためのある意味デモ盤的な、目ぼしい業界人に配るために作られた印象もあるが、早くも2ndシングルを用意しているあたり、わりと力入れてるようにも見える。出来たら何かしらのタイアップ付きでもっと人の目に触れるところで歌えるようになったらいいなと思っている。
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