アルバム部門
1位 『サービス・エース』 / 彼女のサーブ & レシーブ :3pts.
元インスタントシトロン松尾宗能の外付けHDDがクラッシュし3年分の楽曲データが失われるという事件、HDDのデータをサルベージするためのクラウドファンディング、そしてサルベージの成功、稀有な経緯を通して辿り着いた、80sポップス職人センチメンタルアイドル歌謡の桃源郷。ちょっと異次元なレベルのビジュアルも含めてゆるゆるなライブが桃源郷過ぎて売れるとか売れないとかパフォーマンスがいい悪いとか色々どうでもよくなってしまう。
2位 『 』 / ・・・・・・・・・ :2pts.
「シューゲイザー」という言葉が内包する、刹那でありながら永遠を偽装する救いようのない甘美なオーヴァードーズ、それはインディーズアイドルと同じものだ。商業的な成功はどの世界でもとても難しいことで、結果的にそれを成し遂げられなければその時間を刹那と呼ぶのはアイドルだろうと普通の中年のおっさんの生活だろうと同じことだし、別に演じるほうも観るほうもその瞬間が刹那であることを望んではいない、しかし少女の青春が一瞬であり永遠であるように、ライブハウスに集うおっさんたちの青春も時間軸が歪み、一瞬が永遠であったりするのだ。
3位 『It's A SAKA-SAMA World』 / SAKA-SAMA :1pts.
「Lo-Fi Dream Pop」というキャッチコピーを地で行くローファイ活動が結実した傑作。思い出そうとしても思い出せない記憶のように尊いドリームポップ「終わりから」から始まり、アーメンブレイクアンセム「朝日のようにさわやかに」で終わる間に、実家に帰省して炬燵でみかんを食べながら、親の小さなレコードコレクションからフォークとロックンロールの古いレコードを勝手に引っ張り出して聴いている、そんな気分になれる。
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