第6回アイドル楽曲大賞2017 >> 個人ページ かづ

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ニックネーム:かづ


メジャーアイドル楽曲部門


1位 カタルシス / PassCode :3pts.
  悲痛、虚無、呻吟、苦渋、悲嘆、絶望、苦衷、悲憤、煩悶、激情、沈痛、苦悩、etc...
この楽曲を言葉として表現するとしたら、こういった言葉が思い浮かぶがどれも「カタルシス」を明確に表現できる言葉としては程遠い。
それ程、深く複雑な想いが楽曲には込められている。
この世界に失望し諦めているが、微かな希望を捨てられない。それは「手を差し出す気なんて無いんだろ?」と「頑張ろう」という言葉に対し期待していないように思える歌詞からも伺える。
本当は自分の存在意義を欲しているのに、「終わりたい」と思い切ることはできないのに、心を閉ざしてしまう。
「僕は世界のどこに立てばいいの?」
曲の中で幾度も自分を探し求めたが、
「僕は世界のどこにもいないよ」という歌詞と共にアウトロ無しで即座に終わる楽曲。
あまりにも絶美な世界観なのに、心は晴れない。
説明のつかないカタルシスという世界は、驚嘆に値する。
2位 VOMiT SONG / BiSH :3pts.
  歳を重ねていくにつれ自分が思い描いた立派な大人ではなく"普通"な大人になっているのに気付く。
そんな今は「嫌じゃない だけど無理な感じです みたいな」。
感情に正直になりきれなく苛立つ大人と子供の狭間"思春期"が絶妙に表現されている。
子供の頃の記憶にある桜 遊具 あの場所の間取り、新学期のにおいなどの"景色"を風が送り、思い返す。
こんなにも自分は過去に縋って生きているのか、と痛感させられる。
けれど、「どうにもできやしない」んだとも。
歌詞の随所に出てくるyeah!にはどれだけの逃げ出したい現実への想い、過去に対する想いがあるのかは考えただけで胸が痛くなる。その複雑な想いを辛いという言葉では表現せず、一般的には楽しい時に使うyeah!で空元気さを見事に表現している。
歌詞の一つひとつに過去や今などの"時間"への想いが詰まっている吐き出したくなるような曲。今年最大級の問題作であり、名作。
3位 感情電車 / 私立恵比寿中学 :2pts.
  この楽曲の歌詞は正直意味が掴みきれず言葉にすることは難しい。しかし、儚いだとか、悲しい、嬉しいなどという簡単な一言で言い表せない感情を聴き込むほどに感じられるものになっている。
結構楽曲って伝えたい想いだとか何かしらの作り手によるメッセージは限定されている気がするけど、感情電車という楽曲はその限りではない。気がする。
掴み所のないような歌詞やバラードでもなければポップな楽曲でもないメロディが情報量を多くし、その限定されたメッセージ性というものを良い意味で無くしているように思える。
ただ、解釈が難しいように思える楽曲だが感情を揺さぶるような裏で激しく鳴る楽器の音やメンバーの歌声が不思議なくらい自然に耳に入ってきて、自然に涙が出てくるような美しい楽曲であることは確かだ。
「美しい楽曲」。感情電車をどうにか言葉として表現するとしたら、そう表現する。
4位 夏の香のパ・ド・ドゥ / ヲルタナティヴ :1pts.
  長く短い夏の日を刹那的に、かつ切ないという気持ちを「眩しくて 刹那い」という秀逸な言葉で表現する夏の香のパ・ド・ドゥ。このワンフレーズは圧巻の一言に尽きる。オルタナティブミュージックならぬヲルタナティヴミュージックは夏の夜の涼しくもあり暑くもある、それでいてどこか寂しくもある独特な雰囲気を余すことなく表現している。実に奇麗で見事な世界観だ。それほど2017年に於いてこの1曲は自分の中で異彩を放ち、あまりにも印象に残った。
夏の終わりを象徴するこの楽曲は、「季節の終わり 見上げれば 君の香が咲いていた」という歌詞でより一層"刹那い"夏を生み出している。「二度とない」この夏も、この瞬間も「忘れないでね」。
夏の香のパ・ド・ドゥ、今夏を代表する素晴らしい楽曲だ。
5位 プロミスザスター / BiSH :1pts.
  イントロが流れた瞬間圧倒的良曲であることがプロミスされる楽曲。まさしく2017年を代表する楽曲だろう。「変わらない思いを もっと 見せれたらいいな」と起源を大切にしながらも更なる"未来"をプロミスするという強い想いが込められている"プロミスザスター"は振付も含め一つの曲として完成される。メンバー一人ひとりが指を噛み切り、血で全身を使い大きく五芒星を描くこの曲の象徴的な振付。この振付があってこそプロミスザスターは確たるメッセージの込められた楽曲となる。
たくさんの想いを乗せ、一歩ずつ着実に確実に歩んでいき、「あの空」を染めていくBiSHの驀進する姿をこれから自分達は目の当たりにするだろう。そう感じたきっかけとなったこの楽曲は、まさに屈指の名曲と呼ぶに相応しい。

インディーズ_地方アイドル楽曲部門


1位 前髪 / アイドルネッサンス :3pts.
  「決まらない前髪」とは"変化"だろう。変化であり、"成長"。「決まることなんてないんだろう」と漠然とした考えの歌詞だからこそ変化に対する不安、期待、様々な感情が強く読み取れる。
「前髪」は本当に人生そのものを表す楽曲といっても過言ではないだろう。「何かが変わる時はわからないもの」、「さみしく思っても 何もあきらめないで」。一つひとつの歌詞のフレーズをよく見てみると未来からのメッセージのようなものが多くある。「歯の矯正」や「見送った最後のシュート」などの過去は青いトンネルの先で気付くことがあるのだろう。今はまだ正解は分からない。ただ、決まることのない前髪を乱し、過去を背負い、新たな道を切り開こうとする人生そのものである「前髪」。タイトルを始め歌詞にも大きな意味を持ち、透明感のあるメロディで一層楽曲を彩る。思い出を美化しながらも歩みを止めない決意の楽曲、これこそが名曲だろう。
2位 ギュッと、チュッと / Task have Fun :2pts.
  やだ...何この可愛い楽曲は...。王道なアイドルらしいポップなメロディ、恋焦がれた少女の可愛らしい心情を表現した歌詞。アイドルらしい楽曲とはまさにこういった曲を指すんです!!!!
素直になり切れず「冷たくしちゃう」けど、「照れるけどねえ甘えさせて」と自分の素直な気持ちもさらけ出す。なんて可愛いんだ!!!!も〜〜〜!!!晴れた日にはどこへでも連れていくし手も繋ぐし寄り添ってあげちゃう!!!!チュッチュッ!!
心の声でこの想いを受け取って!気付いて!と願うワガママっぷりも少女ならではの心情だろう。可愛すぎる。それでいて暴力的なくらい可愛い歌詞がめちゃくちゃメロディとよく合う。なんだこの可愛い楽曲は...(思考停止)
今やアイドルが歌う楽曲もバラエティに富んでいて面白いが、「ギュッと、チュッと」のような王道楽曲もアイドル界には必要すぎる。
3位 ダンス・ファウンダー / フィロソフィーのダンス :2pts.
  思わず身体が踊りだしてしまうようなフィロのスらしさもあり新しいフィロのスの一面もあるメロディの楽曲。
ただ、印象的なメロディだけがこの楽曲の良さではない。
注目すべきは歌詞。「懐かしいダンス、お決まりのダンスじゃもう物たりない」と「今世紀に必要すぎる思想」を歌詞に乗せ、表現する。
間違ったステップなんてものはなく、新しいダンスを、新しいダンスを誰のものでもない方法を踊れ。この強い想いが込められた歌詞はまさに改革だろう。現状維持を良しとせず向上心を持ち"新しいダンス"を求める思想こそ今の現代に必要なのではないか。そう考えさせられる深い楽曲が「ダンス・ファウンダー」だ。

4位 ロミオの心臓 / BiS :1.5pts.
  「ないものねだりが人生」であり、自分には無いけどあの子にはあるものを妬み嫉むという人間らしさが存分に表現された楽曲がこの「ロミオの心臓」だ。自分の心をさらけ出したり正直に生きたいのに、嫌われたり傷つくのは怖い。「裸足で歩きたいなのに 痛くはなりたく無いんです」。
そんなツギハギばかりで常に他人と比べてフラストレーションが溜まる日々を送る人生。周りを伺いながら生きる今を打破したいけどその一歩が踏み出せない。そういった解釈ができるこの楽曲を通して"生きる"意味を改めて考えさせられる。
キャッチーなメロディだからこそ心に響く複雑な想いは言葉に表し切れないほど素晴らしく、異端な楽曲として自分の中で深く刻まれた。
5位 この世界にサヨナラして / 転校少女歌撃団 :1.5pts.
  「諦めないで前に進め」という物凄くありきたりな歌詞がここまで深く、強いメッセージになるのは記憶を辿ってみてもこの楽曲だけだと思う。
綺麗なイントロから始まり、Aメロ、Bメロと気持ちの良いメロディが続く。しかし、サビから曲全体が感情が溢れ出すかのような雰囲気に変わる。「矛盾だらけだった この世界にサヨナラ」と全身で、曲の力を借り表現されているかのようだ。
ただ、曲を通して聴いてみるとサビのみが異質な雰囲気を放っているわけではなく、「この世界にサヨナラして」というタイトルが1曲を通して表現されており、曲の完成度の高さを感じさせられる。
"この世界"とサヨナラするという意味は、歌詞を通して答えが出ている。こういった分かりやすくそれでいて強い想いの込められた楽曲は素晴らしい。そう再認識することが出来た良曲だ。

アルバム部門


1位 『5』 / 夢みるアドレセンス :2.5pts.
  夢アドの"5年間"を"5人"で創り上げてきたベストアルバム「5」。
収録曲は豪華なクリエイター陣による楽曲提供が主となっている。
その楽曲を夢アドが歌い、踊り、表現することによって夢アドらしさが楽曲に現れ一つの世界観が出来上がる。
さすがベストアルバムなだけはあっていわゆる捨て曲というものがなく、どの楽曲もクオリティが高くこれぞ名盤と言える完成度となっている。
このアルバムのタイトルにも深い意味があり夢アドからの強いメッセージ性が込められており、その想いを読み取って解釈していくと更にアルバムとしての完成度は高まるに違いない。
豪華クリエイター陣によるハイクオリティな楽曲、強いメッセージ性のあるタイトル。全てにおいて豪華で贅沢なアルバム「5」は2017年のアイドル界におけるアルバムの中で間違いなく名盤だ。
2位 『パラドックス ワールド』 / わーすた :2pts.
  楽曲の振り幅が凄く、何が凄いかってその全ての楽曲がわーすただということだ。わーすたのアルバムだし当たり前だ、とも思うがよく考えてみればこの振り幅が物凄い曲達を全てわーすたが表現し、"わーすたらしさ"を創り上げているのだ。これは簡単なことではないだろう。
夢、希望を与える存在であるアイドル界に於いては裏での苦労、頑張りは若干タブー視されているが、今作における"らしさ"を表現できているのはまさに、「答えは努力」である証拠だ。
そして、このアルバムの中で今までの過去に感謝をする曲、イマを大切にする曲など時間を題材にしている楽曲の良さが目立つ。
この楽曲達を自分なりに解釈するのも良し、他の楽曲を聴いて"わーすたらしい"世界観を楽しむのも良し。
様々な楽しみ方が出来る最上級なアルバムとなっている。
3位 『WIFE』 / 清 竜人25 :1.5pts.
  多幸感!!!この言葉に尽きる。ただ、このアルバムが最後のアルバムと思うとこの多幸感もまた別の心情に変わる。
清竜人25だからこそ許される「愛してる♡キスしたい♡Hしたい♡」というストレートで面白みのあるタイトルの楽曲を始め、全ての楽曲がどこか寂しい気持ちになってしまう。
いつまでも続くと思っていた"幸せ"もいつかは終わりが来るんだな...とこのアルバムから実感するが、ワガママを言えばずっとずっと幸せは続いて欲しい。「大好きなんだ 止められないのさ」。
「WIFE」が最後のアルバムと思うと悲しいけれど今まで通り、今まで以上に清竜人25らしさが最初から最後までぎっしり詰まりに詰まった名盤であることは間違いない。
まさに多幸感、平和を言葉通りに表現した「WIFE」は最高、否、最幸なアルバムだ。

推し箱部門


わーすた
  本当に好きなグループを冷静に分析して言葉にするということは思っている以上に難しい。
"好き"っていう感情に理由なんていらないんや...。
ただ、強いて言えばメンバー、楽曲、全体的に良すぎる。
パフォーマンスも着実に進化していてわーすたという世界観を表現する力が付いているのが分かる。
それに加えライブでの演出やセトリ等に様々な工夫を凝らしていて、ファンを楽しませたいという純粋な気持ちが伝わるのもわーすたを推す大きな理由。
これからの成長や活躍に物凄く期待しているし、応援し続けていきたいと心から思える素晴らしいグループだ。