第5回アイドル楽曲大賞2016 >> 個人ページ ずばぴったん

投票者情報


ニックネーム:ずばぴったん


メジャーアイドル楽曲部門


1位 キラメキの雫 / さくら学院 :3pts.
   僕らの中で永遠のキラメキを放ち続ける、2015年度のさくら学院。あの夢のような、よくできた青春映画の内側に入り込んでしまったかのような1年を体験させてくれた彼女たちを象徴する代表曲。
 最近のアイドルソングでは典型的な、アイドルが自分たち自身の青春の苦闘を歌う自己言及ソングだけど、あくまで「さくら学院」らしく清楚で爽やか。しかし同時に、強烈な負けず嫌いの伝統というバックボーンもきちんと表現されている。
 苦しくても絶対に表情に出さずに、全力で伝説の先輩達の背中を追いかけ超えていく。そして、(たぶん、ファンの父兄だけでなく運営の職員室も森先生も含めた)すべての大人達の思惑を軽々と飛び越えて、あまりにも潔く、カッコ良く去っていった3人。いま、後輩たちがこの曲をマスターすべく苦闘する姿に、伝統の継続を思い、隠れて涙する。
2位 ラブサマ!!! / SUPER☆GiRLS :2.5pts.
   スパガのことは前から知っていたしチェックしてたけど、ずっとピンとこなかった。でも、今年のアイドル横丁夏祭りの生配信を見たとき、僕の中で何かが変わった。第三期を迎えたスパガは、ピンと一本筋の入ったグループになった。衣装も彼女たちの素の良さが表されるようになって、本人たちも運営も、どこかで覚悟を決めている感じがした。
 そこから何度もフェスやリリイベに脚を運んだ。楽しかった。なんという多幸感のオンパレード。本人たちは「王道アイドル」を名乗っているけど、むしろフェスティバル型アイドルとでもいうべき、独特の和やかな高揚感を味合わせてくれる希有なアイドルだと思う。その三期を象徴するシングルがこれ。前島亜美、渡邉幸愛、浅川梨奈という奇跡のトリプルセンターとフレッシュな3期の新人5人と中堅メンバーの全員の魅力がきっちりフィーチャーされている。楽曲的にどうのじゃなくて、とにかく可愛くて楽しい。
3位 BUDOKANかもしくはTAMANEGI / BiSH :2pts.
   BiSHの楽曲はどれもエモい。そのエモさの多くは潔い良いほどの汚れっぷりから来ていたと思う。メジャーデビューしてからはその「汚れ」という武器を捨てて正面から勝負するという、むしろ茨の道を歩み始めたように見えるBiSHだけど、この『BUDOKANかもしくはTAMANEGI』では、メジャー前のBiSHのエモさを凝縮したような、掃きだめから這い上がろうとする泥だらけだけど美しい、青春の尽きない希望を歌いあげている。
 『オーケストラ』もいい曲だとは思うけど、BiSHが共感を集めていたのは、この曲に代表されるような、地の底を這いずるような魂の叫びの尊さがあったからではないか。こういった泥臭い曲では、メジャーでは勝負できないのだろうか?  世界的に保守反動の嵐が吹き荒れる今、むしろ、時代が求めているのはこの泥臭さなのではないかと、思っている。
4位 ザ・ゴールデン・ヒストリー / ももいろクローバーZ :1.5pts.
   かつて僕はモノノフだった。しかし、2014年度以降の楽曲に納得がいかなくてライブに行かなくなった。「ももいろフォーク村」だけはまだ毎月お金を払って見ているけど。ももクロの1stアルバムと2ndアルバムは、おもちゃ箱みたいにいろんな遊びが詰まった、だけどちゃんとアイドルとしての切なさもあるところが良かったんだけど、だんだんと音楽プロデューサーの実験室のようになってしまって、アイドルとしての良さを失っていってしまった。
 この「ザ・ゴールデン・ヒストリー」には、本来のももクロらしさが久しぶりに戻ってきたシングル作品だと思う。粉まみれ、泥まみれになりながら楽しそうにはしゃぐサプライズ一発撮りMVもそうだし、楽しいけどちょっと切なさのあるメロディーと歌詞もそう。ももクロの本質は青春の輝きと若さゆえのずっこけの2面性であり、ようやくそこに回帰してきたことを素直に喜びたい。
5位 二人セゾン / 欅坂46 :1pts.
  悔しいが、認めざるを得ない。驚異の中毒性。たった一回聞いただけど、「二人セゾ〜ン」がずっと頭の中でこだまする。MVの画角の切り方の違和感も凄い。アイドルのMVでこんな違和感を味わえる時代が来るとは。しかし、くそーーー、俺は認めん!! チュドーーン!(爆発)

インディーズ_地方アイドル楽曲部門


1位 君の知らない物語 / アイドルネッサンス :3pts.
   いまやアイドルとはプラットフォームで、そこに何を載せるのかが勝負だ。単に企画性だけでなく、質が重要な点が前世紀のアイドルシーンとの違いだ。そんな多様性の嵐のような今のアイドルシーンの中でも、ひときわ天才的な発明がアイドルルネッサンスだと思う。意図的に地味めに演出された少女たちが、激しく踊りながら、懐かしのJポップや歌謡曲の名曲を歌うのが、これほどまでに楽しいモノだったとは! 原曲を大きく弄っているわけではないのに、まったく異質の楽しさが生まれ出てくる、アイドルという魔法の面白さ。
 『君を知らない物語』は、アニメファンにとってもニコ厨にとっても記念碑的な名曲であり、歌謡曲やJポップとは異なるハードルがあったと思う。でも、そんなものをすっ飛ばして、この曲の奥底にある青春の痛みを、新鮮な切なさをもって表現できていると思う。さんざん聞いた曲なのに新しい感動がある。この感覚はやみつきになる。
2位 流星Flash Back / Fullfull☆Pocket :2.5pts.
  「からっと☆」からの崩壊と再生の物語を持っていることは、フルフル☆ポケットにとって大きな強みだと思う。すべてのアイドルが「沢山の苦労を乗り越えてきた」と語るけど、その言葉を納得させるだけのバックグランドを持てるものは少ない。皮肉なことだけど、彼女たちの苦難の歩みは、エモーショナルな楽曲を歌うときに、歌う側も聴く側も、あきらかに感情をブーストされていて、それが良い作用になっていると思う。
 『流星Flash Back』はアイドル好きに刺さりやすいエモい楽曲ではあるけど、そこに語られている離別と再会の物語は、そのまま彼女たち自身の絆、彼女たちとファンとの絆に繋がっているはずで、聴くモノの心を揺り動かすものがある。
 可愛く楽しい元気を届けるアイドルであるフルポケだけど、このエモさとの2面性をうまく表現できれば、もっと未来が開けていくのではないだろうか。
3位 広告の街 / sora tob sakana :2pts.
   sora tob sakanaの魅力は、アンバランスさにあると思う。エレクトロニカの都会的な楽曲や、恋や青春を俯瞰したような歌詞は大人のセカイなのに、歌っているのは実年齢よりもさらに幼く見えることすらある純白の少女達。そのアンバランスさと繊細な歌声は、どんなに頑張ってもつかみ取れない、雲や霞のように不確かだけど美しいものに思える。
 不確かだからこそ、近づいてしっかり確かめたくなる。そのときにはもう、“迷路のような恋に落ちて”いる。つまり、中毒症状の始まりである。
4位 Atlas / amiinA :1.5pts.
   今年一番の衝撃。既存のカテゴライズで考えれば、アイドルソングの範疇ではないし、Jポップかどうかも怪しい気がするけど、まさか民俗音楽というわけにもいかないから、やっぱりJポップで、これもアイドルなのかもしれない。90年代にUAが出てきたときぐらいの衝撃ではないのだろうか。
最近一部のさくら学院父兄がハマっていることから知って、まだ聞き始めたばかりなのだけど、好きとか可愛いとかより、圧倒されてしまう。
5位 ツイテール / 生ハムと焼うどん :1pts.
  これも完全中毒系の歌ですね。「ついてる、ついてる、ツインテール」って一発で覚えられる歌詞を自分で編み出した東は天才。いや努力の人か。
ライブでは、寸劇の印象が強すぎるのだけど、曲もほんとうに面白くて共感できる。

アルバム部門


1位 『さくら学院 2015年度 ~キラメキの雫~』 / さくら学院 :3pts.
  温故知新。採録された『夢に向かって』『School Days』各部活ソングの素晴らしさ。一方で、『キラメキの雫』『約束の未来』は2015年度らしさにあふれている。伝統は継承され、さらに昇華されている。
2位 『sora tob sakana』 / sora tob sakana :2pts.
  シングル曲はおしゃれで大人っぽいおさかなちゃんの楽曲ですが、『帰り道のワンダー』や『新しい朝』などの少女の生活感というかリアリティの表現が可愛らしくていいです。未完成という名の完成度。
3位 『KiLLER BiSH』 / BiSH :1pts.
  書きたいけど、もう時間がないいいいい!

推し箱部門


さくら学院
  アルバムのとこでもちょっと書いたけど、過去の卒業生が歌った名曲を、今の現役生が歌うと、まったく違う魅力がある。それをアルバムという形できちんと残したさくら学院の職員室の英断は素晴らしすぎる。新曲を増やすばかりが能じゃない。今後も、過去の名曲の採録と新曲をうまくバランスさせてください。お願いします。