メジャーアイドル楽曲部門
1位 キラメキの雫 / さくら学院 :3pts.
僕らの中で永遠のキラメキを放ち続ける、2015年度のさくら学院。あの夢のような、よくできた青春映画の内側に入り込んでしまったかのような1年を体験させてくれた彼女たちを象徴する代表曲。
最近のアイドルソングでは典型的な、アイドルが自分たち自身の青春の苦闘を歌う自己言及ソングだけど、あくまで「さくら学院」らしく清楚で爽やか。しかし同時に、強烈な負けず嫌いの伝統というバックボーンもきちんと表現されている。
苦しくても絶対に表情に出さずに、全力で伝説の先輩達の背中を追いかけ超えていく。そして、(たぶん、ファンの父兄だけでなく運営の職員室も森先生も含めた)すべての大人達の思惑を軽々と飛び越えて、あまりにも潔く、カッコ良く去っていった3人。いま、後輩たちがこの曲をマスターすべく苦闘する姿に、伝統の継続を思い、隠れて涙する。
2位 ラブサマ!!! / SUPER☆GiRLS :2.5pts.
スパガのことは前から知っていたしチェックしてたけど、ずっとピンとこなかった。でも、今年のアイドル横丁夏祭りの生配信を見たとき、僕の中で何かが変わった。第三期を迎えたスパガは、ピンと一本筋の入ったグループになった。衣装も彼女たちの素の良さが表されるようになって、本人たちも運営も、どこかで覚悟を決めている感じがした。
そこから何度もフェスやリリイベに脚を運んだ。楽しかった。なんという多幸感のオンパレード。本人たちは「王道アイドル」を名乗っているけど、むしろフェスティバル型アイドルとでもいうべき、独特の和やかな高揚感を味合わせてくれる希有なアイドルだと思う。その三期を象徴するシングルがこれ。前島亜美、渡邉幸愛、浅川梨奈という奇跡のトリプルセンターとフレッシュな3期の新人5人と中堅メンバーの全員の魅力がきっちりフィーチャーされている。楽曲的にどうのじゃなくて、とにかく可愛くて楽しい。
3位 BUDOKANかもしくはTAMANEGI / BiSH :2pts.
BiSHの楽曲はどれもエモい。そのエモさの多くは潔い良いほどの汚れっぷりから来ていたと思う。メジャーデビューしてからはその「汚れ」という武器を捨てて正面から勝負するという、むしろ茨の道を歩み始めたように見えるBiSHだけど、この『BUDOKANかもしくはTAMANEGI』では、メジャー前のBiSHのエモさを凝縮したような、掃きだめから這い上がろうとする泥だらけだけど美しい、青春の尽きない希望を歌いあげている。
『オーケストラ』もいい曲だとは思うけど、BiSHが共感を集めていたのは、この曲に代表されるような、地の底を這いずるような魂の叫びの尊さがあったからではないか。こういった泥臭い曲では、メジャーでは勝負できないのだろうか? 世界的に保守反動の嵐が吹き荒れる今、むしろ、時代が求めているのはこの泥臭さなのではないかと、思っている。
4位 ザ・ゴールデン・ヒストリー / ももいろクローバーZ :1.5pts.
かつて僕はモノノフだった。しかし、2014年度以降の楽曲に納得がいかなくてライブに行かなくなった。「ももいろフォーク村」だけはまだ毎月お金を払って見ているけど。ももクロの1stアルバムと2ndアルバムは、おもちゃ箱みたいにいろんな遊びが詰まった、だけどちゃんとアイドルとしての切なさもあるところが良かったんだけど、だんだんと音楽プロデューサーの実験室のようになってしまって、アイドルとしての良さを失っていってしまった。
この「ザ・ゴールデン・ヒストリー」には、本来のももクロらしさが久しぶりに戻ってきたシングル作品だと思う。粉まみれ、泥まみれになりながら楽しそうにはしゃぐサプライズ一発撮りMVもそうだし、楽しいけどちょっと切なさのあるメロディーと歌詞もそう。ももクロの本質は青春の輝きと若さゆえのずっこけの2面性であり、ようやくそこに回帰してきたことを素直に喜びたい。
5位 二人セゾン / 欅坂46 :1pts.
悔しいが、認めざるを得ない。驚異の中毒性。たった一回聞いただけど、「二人セゾ〜ン」がずっと頭の中でこだまする。MVの画角の切り方の違和感も凄い。アイドルのMVでこんな違和感を味わえる時代が来るとは。しかし、くそーーー、俺は認めん!! チュドーーン!(爆発)
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