インディーズ_地方アイドル楽曲部門
1位 asthma / BELLRING少女ハート :3.0pts.
今年のベルハーでどれか1曲選ぶとしたらこれしかない。彼女たちの楽曲の中ではどちらかといえば珍しい直球で爽快な曲と泣かせる詞のポップな楽曲で、レコ―ディングでは歌もちょっと控えめで普通にいい曲じゃないか。でもライブだと破壊力200%増量のいつものベルハーの歌唱とパフォーマンスで、最後のオタちゃんのチャントも含めて、聞くたびに弩級のカタルシスを与えてくれる。
2位 i.s.f.b. / いずこねこ :2.0pts.
映画「世界の終わりのいずこねこ」の主題歌という形をとりながら、実は映画の内容とはあまり関係なさそうなきわめてプライベートな世界の終わりを歌ったザ・サクライさんって感じの曲。12月から15月にかけての終わりの日々が、茉里ちゃんの、時に伸びやかな愁いを帯びる声で歌われる生々しさ。いずこねこのラストソングとしてこれ以外にはありえなかった。
3位 snow irony / Maison book girl :2.0pts.
変拍子を駆使したパーカッシブなサウンドをバックに、いずこねこ「i.s.f.b.」の続きの16月から始まり「rainy irony」の引用で終わる歌詞の世界は、まぎれもなくいずこねこから袂を分かったサクライケンタのネクストステップだ。Maison book girlのファーストアルバムの中心に位置する、心臓ともいうべき曲だけど、アルバムで入念に加工されていた彼女たちの歌声が、ライヴのパフォーマンスであっけらかんとした生歌で血肉化されたのを聴いた時に、いずこねこは本当に終わったんだと実感した。
4位 仮初の涙 / Peach sugar snow :1.5pts.
ソロユニットになってからのPeach sugar snowのシングルは2枚とも素晴らしい出来で、むしろグループ時代からひとまわり大きく化けたように思える。第1作の「さよなら惑星」が「かぐや姫」をモチーフにしていたのに対し、この曲はたしか「赤頭巾ちゃん」をモチーフにしていると言っていたと思うんだけど、ライヴでは赤ではなく茶色い頭巾を着てステージにうずくまって歌うパフォーマンスが、戦争と平和を歌った壮大な歌の世界と相まって圧巻だ。勝手な俺の解釈では「どっちに生きても仮初の涙が流れてる」という歌詞通り、赤頭巾とオオカミの両方を内包する人間の業に対する祈りがこの歌なんだと思う。
5位 Love likes a mille-feuille / Hauptharmonie :1.5pts.
Hauptharmonieのライヴは1回しか見たことがないのだけど、その最後に歌われていたのがこの曲だ。エモーションに寄り添うようなピアノとベースをバックに、3人の登場人物が入れ代わり立ち代わり現れて胸の中をかき回した。たった4分の曲なのにまるで1時間半の映画のラストシーンのようだ。次の日タワレコで探したけれどまだCDになっておらず驚いたのだけど、数か月後発売された彼女たちのファーストアルバムで当然のようにその掉尾を飾っていた。
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