楽曲部門
1位 乙女の逆襲 / アンジュルム :3pts.
荘厳なストリングスにゴシックホラーの趣あるコーラス、焦燥感溢れるビートにしっかりと打ち付けてくるバスドラム。反骨精神と現状への焦り、不安な乙女心などが綯い交ぜになった児玉雨子節がハローに持ち込まれた初めての楽曲でもある。作品としての完成度もさることながら、3期初参加シングル、中西さんの低音歌唱の確立など、アンジュルムとしての重要な通過点でもあった。
2位 ONE DAY / スマイレージ :3pts.
末満健一作詞、和田俊輔作曲、舞台「SMILE FANTASY!」の楽曲。現在もアンジュルムが体現し続けている「この一日が宝物」を刻む構成。「人生は一筋縄ではいかない」の中西さんのうねるような歌唱、「そうして過ごす一日一日の積み重なりがいつの日か旅立つときの大切な心一個分のお土産」というフレーズが秀逸。旅立つときっていつ。
3位 交差点 / アンジュルム :2.5pts.
アンジュルムとしては珍しい曲調の楽曲。素直で爽やかなメロディーに「ハスキーな声」「素朴な声」「伸びやかな声」など各メンバーの声質が適材適所に組み合わさって構成されている。コーラスもエモい。「人生の大きな交差点は時々ね訪れるものでしょう」の「ね」と「でしょう」が素晴らしい。
4位 私の心 / スマイレージ :2.5pts.
女の子が大人になりそうでならない甘酸っぱい瞬間をつんくおじさんと大久保おじさんが描いた楽曲。音も歌い方もシンプルながらドラマチックな構成。これまたコーラスが巧みに使われていて綺麗。舞台「SMILE FANTASY!」での福田花音さんのソロ歌唱(と勝田くん)も素晴らしい。
5位 ぁまのじゃく / S/mileage :2pts.
「ぁまのじゃく」を味わい尽くすには無邪気なオリジナル版から憂いの「SMILE FANTASY!」あやちょソロ版を通って「わたしの夢見た15年」に辿りつく必要がある。楽曲は同じであるもののオリジナル版はこれからインディーズデビューという前途洋々の歌唱であるのに対し、仔犬が鳴いているようなあやちょソロ版は田村くんへの想いを抱えて歌詞通りの切なさで溢れている。特に「ウソ泣きしてあげるから」に込められた想いの違いは顕著である。そして見送る側から見送られる側になった「わたしの夢見た15年」ではあっけらかんと「ウソ泣きで見送ってよ」と言い放つのである。
6位 プリーズ ミニスカ ポストウーマン! / スマイレージ :2pts.
昨今のアンジュルムではめっきり作られることのなくなった上から下までかわいい楽曲。衣装も振付も凝っていて全力でかわいい。冒頭「恋をしてる自覚症状」からのリズムと音韻の構成が結構技巧的で最高。東日本大震災後でまだ先行きに不安のあった年末年始によく聴いていたためか、MVをみると今でも名状しがたい独特な心持ちになる。
7位 マリオネット37℃ / アンジュルム :1.5pts.
イヤホンで聴くと右に左に移動する音から始まる楽曲。鼓動のような速いリズムに乗せて踊る37℃のマリオネット。人外の無機物感を前面に出した歌唱と少々形式ばって滑稽な言い回しの下からチラリと覘く熱くしたたかな想い。やはりどうしてもこの楽曲は相川さんの印象が強い。
8位 地球は今日も愛を育む / スマイレージ :1.5pts.
「フー↑たりは引力よりも強く引き寄せられた」うた。すごく目立つ楽曲ではないのだけれど曲も衣装も振付も大好き。電子ブラスでお洒落に始まって裏拍強めで展開、ドラマチックなブリッジで次第に盛り上がってからの「フー↑」。構成的によく出来てる。あと、MVでみなさんお綺麗。
9位 ミステリーナイト! / スマイレージ :1pts.
MV初出の際はそれまでの路線との違いに「おうふ」となったものの楽曲自体はよく出来ており実際にコンサートでも頻出する楽曲。挑戦的な歌詞でコンセプトがはっきりしているためかメンバーも雰囲気作りしやすそうだし、振付も個と群を巧みに使い分けていて、パッケージとして完成している。バックトラックは電子音の部分はイケイケなのにストリングスの部分はゲーム「イース」シリーズのBGMのように広がりがあって思いのほか壮大なニュアンスある。わっかるかなあ、わかんねぇだろうなぁ。千手観音から個々でクルクル、集団で足跳ね上げてクルクルのくだりいいよね。
10位 赤いイヤホン / アンジュルム :1pts.
メッセージ性がありそうでなさそうな楽曲。方向性としては「マナーモード」に近いものを感じるけど、歌唱や構成の細かいギミックで面白みを感じるフックが多い印象。勝田さんの「彼の愛に押し切られ」の粘度の高い歌い方と船木さんの「別れの言葉」のメロディアスな歌い方すき。
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