楽曲部門
1位 未来のフィラメント / 宮本佳林 :2pts.
宇宙、時間、いまは離れているけれど同時に重なりあうふたつの存在。そんなイメージを掻き立てるような世界をカッチリと作り上げているのが見事だと思います。曲のラストで宮本さんのボーカルが入る直前、アコースティックギターの奏でる旋律の定位が移動するところが好きです。
2位 がんばれないよ / Juice=Juice :2pts.
特にDメロ以降の曲の展開がドラマティックで、自分の中にあるものを確かめていくような歌詞に自然に引き込まれていきます。最後のサビでの半音上への転調で「さあ 明日もがんばれ」のフレーズの中で転調させて転調の前後をスムースにつなげているところが好きです。
3位 光のカーテン / つばきファクトリー :2pts.
Dメロの「もしも時を巻き直せても〜」からの歌詞が印象的で、これまでつばきファクトリーが歌ってきた少女像らしい「決意の歌」に感じられました。Aメロ・BメロはGより低い音で作られており、サビがAから上昇するフレーズで始まりそれまでメロディで使われていなかった音域を使うことで曲の盛り上がりを生み出しているのが巧みだと思います。サビでのファルセットの使用も効果的に感じました。
4位 エキストラ / 譜久村聖 (モーニング娘。'21) :2pts.
アレンジもオリジナル版とほぼ変わらない忠実なカバーでありながら、オリジナル版とは違った情景を描く歌になっていると感じました。オリジナル版が「かなわぬ恋」だとわかっているから自分の中だけでそっとつぶやく独白とすれば、譜久村さんの『エキストラ』は「かなわぬ恋」とわかっていてもこぼれ落ちてしまった感情のような。歌い上げるのではなく語るようなボーカルを浮き立たせるミックスもいいと思います。
5位 愛されルート A or B? / アンジュルム :2pts.
三拍子のリズム、ハーモニックマイナースケールを使ったメロディ、ランニングベースやブラス、ヒステリックなギターが印象に残るアレンジ、耳慣れない言葉を織り込んだ歌詞と、アクの強い曲。それをアンジュルムが「気だるさ」すら感じさせて表現しているのが素晴らしいです。
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