楽曲部門
1位 消せやしないキモチ / こぶしファクトリー :3.5pts.
ライブで初披露されてから音源化されるまで、ここまで時間が掛かった楽曲を、私は他に知りません。初めて聴いた時から、楽曲大賞で1位にしようと思っていたのが、今年でようやく叶います。
「こぶしらしさ」と銘打って出されてきた、勢いのある曲たちが沢山あります。しかし、当時の勢い楽曲と打って変わって、この曲は可愛く、少し切ない。当時はそのギャップと新鮮さにグッと来ていました。
そして時が経つにつれ、段々とこぶしの幅を広げるような、かわいい、もしくは落ち着いた曲も増えていきました。
そこで思いました。
かわいい曲調で失恋の切なさを歌い、最終的には「だけど私なら大丈夫」と前を向く、この一呼吸置いた芯の強さこそ、本当の「こぶしらしさ」なのでは?と。
時間はかかりましたが、だからこそ、研ぎ澄まされた「こぶしらしさ」が収録され、音源化された訳なので、この時間は必然的なものだったのかなと、考え至りました。
2位 恋のおスウィング / BEYOOOOONDS :3.5pts.
ジャズ由来の曲調×児玉雨子さん
強い。
「待てないアフターファイブ」を聴いた時もとろけましたが、こちらも尚更。
「ダイヤ通りに生きてきた」「誰もが運命へ向かう乗客(パッセンジャー)」
「恋の優先席はどこにも 〜」「発車のベルが歌いだしたら〜ステキな予感が踊るわ」
何気ない日常の風景や音に、様々な彩りを与えて放つこのワードセンス!
非常に映画的な発想だと思うのです。
映画も、なんてことない街灯やゴミバケツですら、カッコ良く映しますから。
星部ショウさんや、野沢トオルさんが構築してきた世界観に、更に深みを与えることが出来るのは、児玉雨子さんだからこそだと思います。
お嬢様風のお嬢様の豹変ぶりも話題ですが、後半の「さよならOh…」に、なんとも言えない儚さが隠れているのもたまらなく好きです。序盤はあれだけウキウキしていたことを考えると、ラストの「さよなら」「恋して」の意味も切なく感じます。
3位 都営大江戸線の六本木駅で抱きしめて / CHICA#TETSU :1pts.
「日本一深い、地下鉄の駅として有名」
な、都営大江戸線六本木駅と、愛の深さを掛けた最強かわいいソングのこの曲。
往年のテクノポップ感を、オーバーな程のかわいいに昇華出来たのは、CICA#TETSUのポテンシャルがなせる技ですね。
尚且つ、ファン目線的に、BEYOOOOONDSや、雨ノ森川海、オーデ組との対比を作る上で、それを明確にした曲でもあります。
歌詞の中で、六本木駅と愛の深さを、明確に繋げる歌詞が無いのが、非常にオシャレだと思います。分かりやすくはあるのですが(笑)
「How deep is your love?」のワードなんかは、ニュアンスの良さで聴いている人なんかが、その意味を理解した時に、よりこの曲の深みを知れて嬉しいのではないでしょうか。
アルバムが発売され、多彩な楽曲が一気に放出されても尚、この曲の持つ存在感は大きく強く、やはり魅力的な楽曲だと感じました。
4位 高輪ゲートウェイ駅ができる頃には / CHICA#TETSU :1pts.
'70〜'80年代の、モダンにも古くも聴こえる不思議な雰囲気は、CICA#TETSUに非常に良く合いますね。
この楽曲の、あからさまなシティポップ感は、自分の持つ様々なアーカイブから、それぞれ良いところを集めて楽曲を作る星部ショウさんの、正に真骨頂だと思います。
「アツイ!」のように、この楽曲でJR東海のCMのパロディを作って欲しいくらいには、あからさまです(笑)
この曲も、未完成な高輪ゲートウェイ駅と、未完成な恋がワードとして掛かっていて、CICA#TETSUイズムを感じてたまりません。
それと私は、島倉りかさんの声で、少し切ない歌詞を歌われるのが個人的に好きなようです。
1番と2番のサビでは、「できる頃には」「すぎる頃には」のコンボで、恋が未完成&通り過ぎる切なさを表しているように感じますが、最後は「できる頃には」でまとめて、ポジティブな未来観を映しているのも魅力的です。
5位 元年バンジージャンプ / BEYOOOOONDS :1pts.
令和デビューのBEYOOOOONDSが出したアルバムは、令和元年という、今しか無い特別な瞬間を映し出す、鏡のような作品群で仕上がっている印象を受けます。
その中でもこの楽曲は、それを代表するような作品です!
ですが、新しきを歌っていても、洋楽のオマージュをしたり、グルーヴ感を大事にしていたりと、変わった楽曲が多いBEYOOOOONDSの中でも比較的、ハロプロ的な普遍性の強い楽曲なのが逆に響いて来ます。
極めつけは、それを聴いてるこちらの心情を表すかの如く、「変わらぬもの、守り抜ける」という歌詞!たまりません。
元来、拍子抜けしそうな程ポジティブな歌詞も、BEYOOOOONDSが歌うことによって命が宿り、聴いていて楽しい気持ちになります。
前田こころさんの「幸せになりたい!」というフレーズは、凄まじい多幸感を宿していますね。
元年でなくなっても、いつまでも歌い続けられて欲しいです。
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