第18回ハロプロ楽曲大賞'19 >> 個人ページ 青島玄武

投票者情報


ニックネーム:青島玄武


サイト:カルバートン・スミスの告白


楽曲部門


1位 全然起き上がれないSUNDAY / アンジュルム :3pts.
  このごろのハロー!プロジェクトの楽曲は何処を見ても'80~'90年代の楽曲の焼き直しを聴かされているようで、わたくしのような20年来の古参のファンにとっては味気無さを感じる。それを決して悪いとは言わないが、やはり「日々進化するハロプロ」をファンは見たい。そこに的確な答えを出せるのはやはりつんく♂しかいなかった。「ファンがどう盛り上がるか、商業音楽としてどう売り出せるか」などという日本人の凝り固まった音楽に対する態度に彼はこう答えた。世界では音数の多いハウス系の楽曲はもう古く、ヒャダインも言っていたが「引き算の音楽」に志向している。この曲はチル・トラップでビルボードの世界チャートを席巻している音楽である。フロアを使ったダンスなど見どころも多く、明らかにアンジュルムを引っ張る歌姫に成長した上國料萌衣の歌声など、少ない音数だからこそ映える歌の質にも注目すべき。
2位 夏色のパレット / カントリー・ガールズ :2.5pts.
  こんなに素晴らしい楽曲を歌うグループを、ホールツアーもさせず、世間に喧伝することなく、むざむざドブに捨ててしまうアップフロントを後世の歴史家はなんと記すであろう? 「東に近ければ西は遠し」とか? この曲の作詞をした児玉雨子もTwitterでカントリー・ガールズの事実上の解散を知ったという。(ユニット要員の再構成を図るとアップフロントは発表したが、それはファンに対する愚弄である) ハロー!プロジェクトのコンサートでこの曲を歌う四人の姿にとてつもなく胸を締め付けられる感覚を覚えた。もはや太陽とシスコムーンとも匹敵する実力派グループがそこにあった。今思うと、あれが終わりの始まりだったのかもしれない。
3位 「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの? (New Vocal Ver.) / Juice=Juice :2pts.
  楽曲自体はロック歌謡調で、アイドル楽曲には昭和の頃からままありがちな曲。「無難な曲」であることは間違いない。パフォーマンスなしで聴いた時には気にも留めなかったが、歌とダンスを合わせてみたときに、ただのカレーが帝国ホテルのカレーに化けたような衝撃を受けた。完全にやられた。歌が苦手と言っていた稲葉愛香の歌声に明らかに芯が入り、全く別物となったことによってJuice=Juiceは死角がなくなった。そこに工藤由愛・松永里愛の二人が加入。工藤の不屈のギラギラ感。松永の一見余裕げながらも繊細な歌いこなし。この曲がJuice=Juiceがさらに飛躍するための嚆矢となることは間違いない。
4位 Une idole / 和田彩花 :1.5pts.
  思えば和田彩花は、スマイレージ当時からアイドルでありながらその世間的概念の「アイドル」と必死に取っ組み合いを続けていた人である。アイドルを続けていく中でファンに支えられながらも、そのファンから一方的な杓子定規のアイドル像を押し付けられ、「私は私だ」と叫び続けていた。ソロになった彼女が全然「アイドルらしさ」のないポエトリーリーディングのような歌曲でデビューを飾ろうとしたのは至極自然。彼女がこれから戦っていくのは「自由な表現」という巨大な化け物である。
5位 恋してみたくて / モーニング娘。'19 :1pts.
  最近のモーニング娘。はいわゆる「かっこいい曲」が多く、こういった「かわいい曲」は、曲調を含めてほとんどなかったといえる。(『ロマンスに目覚める妄想女子の唄』が思い出されるが、曲調的には四つ打ちのかっこいい系) つんく♂が「どうしてもこれは娘。に歌わせたい」として温存していた曲で、歌っている当人たちもすごく大事に歌っている背景を考えるだけでも点を入れる価値はあると思う。

MV部門


1位 青春Night / モーニング娘。'19 :3pts.
  曲はつんく♂の十八番である打ち込みディスコチューンだが、おしゃれ感を強く出してフロアDJ向きというよりホームパーティー向きの、高揚感を若干控えめにした作り。そういった楽曲の志向性と「冴えない女子が仮想空間でおしゃれな女性に大変身する」という映像のコンセプトがぴったりとマッチした本当に秀逸なMVである。事務所がカントリー・ガールズを切り苛んでも森戸知沙希をモーニング娘。にしたかった理由はこれだったのかもしれない。(むろん違う) だがこのMVの最大の見どころは森戸知沙希でなく、各メンバーがモデルウォークでSEXYポーズを決めていくシーンで、いまいちSEXYがやり切れていない加賀楓であると断言する。
2位 恋はアッチャアッチャ (公式アッチャアッチャ応援隊) / アンジュルム :2pts.
  ラジオの企画で「日本史上、最強の国民的女性アイドルは?」の問いに迷いなく「後藤真希」と答えた「元モーヲタ」のコンバットRECがメガホンを取った。出演したハロプロメンバーも、なぜか主役として配役された舞台俳優の治田敦も、ロケ地となった戸越銀座の住民も、監督すらその企画の意図がよく訳が分からないままカメラを回し続けていたという、何もかにもが謎の作品。パロディ動画としてのクオリティは周辺住民を怪訝な表情にさせただけBEYOOOOONDSよりこちらのほうが上。「モーニング娘。佐藤優樹が現場ADと一緒に働いていた」など、現場エピソードのエッジの効き方にも注目。
3位 アツイ! / BEYOOOOONDS :1pts.
  今年の楽曲大賞は間違いなくBEYOOOOONDSの曲が取るであろうことは、まず疑いない。わたくしがBEYOOOOONDSに票を入れるとすればこのMV。というよりも正確にはこのMVのメイキングにあげたい。元ネタなどわかるはずもないところを実に嬉々として演じているのに好感を持った。あと、小林萌花のピアノはBEYOOOOONDSには必須。(笑)

推しメン部門


佐藤優樹 / モーニング娘。'19
  「もしかしたら、年内に卒業か?」というほどに、今年の佐藤優樹はコンサート中にも、あまり更新しないブログの中でも、しつこくファンやスタッフ、メンバーや家族に向かって何度も感謝を述べていた一年だったと思う。同期が次々と卒業し、右も左もわからない新メンバーを迎え、気が付けば「小学生から(なる予定になかった)大学生までモーニング娘。を続けている」グループ史上初めてのメンバーとなった。粛々と無情に時間だけが過ぎゆき、それでも思い描く自分には全然程遠い現実にあって、今できることは唯一「すべてに感謝すること」だったのでは? すでにアイドル雑誌から「アイドル界の鬼才」と称され、芸能界に多くのファンを抱えていても、彼女は煩悶し続ける。その煩悶は現在のモーニング娘。全体を揺り動かしている。つんく♂が以前「こいつの勝負は22才やな」と言っていたが、来年は21歳。現在の焦りや戸惑いを温かく見守っていきたい。