楽曲部門
1位 待てないアフターファイブ / カントリー・ガールズ :3pts.
最初にハロコンで聴いた時は「可愛い曲だな」くらいの印象だった。けれどその後にラジオで耳にすると、その華やかでオシャンな詞曲の世界にどっぷりとハマってしまったのである。
まず曲が良い。派手すぎないジャズ・バンドに始まり、ピアノとベースが都会的に裏拍を彩る。そこに絡むメンバーの歌声が時に可愛く、たまに感情的に歌い上げる。カントリーオタクではないのでメンバーの声の違いを聞き取ることはできないけれど、間違いなく曲の魅力の一つになっている。
だが、この曲は何より歌詞である。歌詞がバチクソに良い。どこが好きか一言で表すのは勇気がいるが、「街のきらめきと恋のきらめきが共鳴している」ところか。
音楽に花束に明日の夢、あふれる靴服欲しいもの、そうした街のきらめきと、相手に対してやきもきする恋のきらめき。それらが互いにリアリティーのある光を放ってこの素敵な歌詞世界を作っている。サンキュー雨子。
2位 EIGAをみてよ / 道重さゆみ :2.5pts.
初めて聴いたのはもちろんサユミンランドールの中でだった。
初見の公演で、流れ来る曲のどれもが悪くないor好きな曲が多くて一曲ごとに興奮した。どんなにアイドルが好きでも、アイドル趣味の根源的な熱量は音楽なのだと、毎分実感した。そういう気持ちのままこの曲が流れ始めたのだ。
もう十分に開いている頭蓋骨が更に開いていく感じがした。
むき出しの脳みそが、さゆの声と音楽に震えて絶頂を迎えた。
妙に湿っぽいピアノ、何かの合図みたいなフィンガースナップ、軽薄なシンセブラスが、暗くて狭い映画館に響き渡る。
徹頭徹尾、冷たい視線のさゆが客席を蔑んで「駄目駄目BOY」と吐き捨てる。
耽美――美に耽るとは正にこのことだと思った。
上半期が終わるまでずっと楽曲大賞の1位はこれだと思っていた。最後に1位の曲と迷って、この曲はサユミンランドールの「空間」も含めた一つの芸術だったことに敬意を以って2位とした。
3位 SEXY SEXY / Juice=Juice :2pts.
初めて聴いた愛媛の公演で、自分は整理番号が1番だった。最前中央なんて初めての経験で、公演中はただただ佳林ちゃんを見て至福の時を感じていたように思う。けれどこの曲のイントロが流れてきた時、そのあまりに甘美な音色に頭蓋骨が開いていくのを感じた。
ウィスパーなAメロ、洗脳のように愛がリフレインするBメロ、底の方で絶え間なく転がる低音、サビのラストでは歌声のボルテージがみるみる上がっていき、さながら射精のように散っていく。最前列に居たのに、気が付けば音に身を任せて頭を振っている自分がいた。今流れているのは音楽なのだと実感した。
様式的と言えばそうかも知れないが、自分はこの曲が好きだ。
理屈もない。映像イメージもない。そこに思い描く世界はないけど、ただこの曲が好きだと思えるのは嬉しいことだ。
4位 禁断少女 / Juice=Juice :1.5pts.
最初は別にそうでも無かった。確かラジオで聴いたんだと思う。シティ・ポップというジャンルらしいが、とにかく古臭い感じがしたし、何しろ歌詞のテンプレ感に嫌気が差した。けれど誰かが言っていた「夏の海岸をこの曲を聴いてドライブしたい」というのは悪くないなと思った。
8月6日。音霊ライブのために三浦海岸へ出かけた。途中、オタクと出会って海までの道すがらこの曲を流して歩いた。小さな路地を曲がったら、その先に海が見えた。禁断少女は最高の曲になった。
冬になり、音霊のDVDが届いた。「あれは楽しかったなあ」なんて懐かしみながら見ていたら、不意にこの曲が流れ始め、そのイントロだけで僕は一発であの夏に連れ戻された。足を取られる砂浜や、ぬるい洗い場の水、地獄の釜のようなライブハウスに、全てを飲み込む夜の海。
曲は良い。悪くない。それだけで投票することを許してほしい。この曲にはあの夏が詰まっている。
5位 CHO DAI / モーニング娘。'17 :1pts.
「モーニングのつんく曲にどれか投票したい」ずっと思っていたけど、ずっと決まらなかった。
モーニングのつんくは攻めている。かっこいい。憧れる。
なんでCHO DAIにしたかというと、15 thank you tooで一番最初に好きだと思ったからだ。
確かあれもラジオで流れて「めちゃイケじゃん」と思ったのがきっかけだったように思う。
安易に盛り上がるポイントを作らず、ひたすら「チョーダイ…チョーダイ…」と繰り返す曲展開がすごくオシャレだと思ったし、なんやかんやサビで盛り上げた後に瞬時に抑圧されたイントロに戻ってくるのが「セックスはしたけどすぐシラフに戻るクソイケ野郎」みたいで抱いてみが強い。
小田ちゃんやふくちゃんの情念めいたものも感じるのが今のモーニングっぽいとこも好き。
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