楽曲部門
1位 待てないアフターファイブ / カントリー・ガールズ :4pts.
山木曲。ピチカートファイブを思わせるお洒落なボーカルメロディに、Brian Setzer Orchestraを思わせるギターとベースで引っ張る速いテンポのスウィングジャズ、そこに軽妙に音をハメてくる児玉氏の歌詞を紡ぐカントリーの5名は本当に素晴らしい。歌詞がいちいち素晴らしいのだけど、とくに「どんどん、あいたくーなくなくーなってきた」のシンコペーションを「く」で強拍を取らせる歌詞とか巧すぎる。トラックに関しても、ギターはオンコード指定の終始フリーなアドリブインプロ、間奏に楽器ソロ回しとキメのオンパレード、懐かしの「でっかい地球に愛がある」の豪華な演奏を思わせる。また、歌い方も「しゃくりあげる」つんく歌唱とは逆の「語尾の音程をフラットに落とす」歌唱を多用しているのはハロプロ楽曲でも珍しく、可愛らしい声に「渋谷系」の香りを添えている。「いつものそこらのどっか」でいつも流れていてほしい。
2位 今夜だけ浮かれたかった / つばきファクトリー :4pts.
ハロプロで近年あまり見られなかった「若さからくる焦燥感」や「女子特有の面倒くささ」がつばきファクトリーにはとても似合ってるが、この曲はその最たるものである。初めて聴いたときは「なんだこの主人公、くそめんどくせー」とニヤニヤしてしまったほどに、児玉雨子氏の歌詞の情景描写は巧みである。つんく氏の歌詞は、心情を直接語らず考えぶりな(実はそんなに考えてない)様子を描くものが多いが、この曲の歌詞は、「妄想で想定していること全部書いてやる」という面倒くささにあふれているのが白眉。トラックについて、定番のコード進行を繰り返すがサビになると転調するあたりがとても癖になる。ベースはまっさらブルージーンズを思わせる細かいスラップ、2番のパーカッションの入れ方は胸騒ぎスカーレット、落ちCメロはジリリキテルの落とし方だ。随所のシンセのいびつなビブラートは不安定さを強調する。ベリキューの楽曲がほのかに香るのがよい。
3位 銀色のテレパシー / Juice=Juice :1pts.
テーマは現代的なのに、「屋根のぼり」「テクノロジー」「モバイル」80sポップスばりのアナログな歌詞が来たかと思えば、「木綿のハンカチーフ」的な70sの牧歌的な世界観に振り戻さる。牧歌的な情景にノイズを入れないために、現代的な語彙を避けるのは児玉雨子氏の器用さがうかがえる。一方、トラックは70sエレクトロのELOモチーフ、なのに歌声は現代的な可愛らしい5人の声、というちぐはぐが絶妙に組み合わさった名曲。「イントロのユニゾンコーラスで心つかまれてから、導入のふわっとした宮本佳林の歌声、からの倍音豊かな金澤、甘々な宮崎高木、高木残して植村にパス」という流れるような快感を得るために毎回聞いている。JuiceJuiceの初期メンバーの歌声と歌順に完璧にフィットした楽曲であり、ほかのグループではカバーできないであろう程に完成されているため、個人的には宮本ソロよりも5人バージョンの方がいい。
4位 Are you Happy? / モーニング娘。'18 :0.5pts.
instばかり聞いている。トラックの音の振り方が左右にぐりぐりと振り分けていて、ただのDubじゃないのがいい。トラックだけ聞いているとどんなメロディが上に乗っかってくるか全く想像できないのだけど、つんく氏の頭はどうなってるのだろうか。
5位 この世界は捨てたもんじゃない / Juice=Juice :0.5pts.
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