楽曲部門
1位 VIVA!! 薔薇色の人生 / カントリー・ガールズ :3pts.
とても可愛らしくてとても楽しくてとてもよくできた楽曲。ゴージャスに始まったと思ったら直ぐにちゃんとカントリー調に収まる構成もにくい。歌詞はどのフレーズを抜き出しても唸るしかない安定の児玉雨子。「All boys and girls hiya」や「言祝げ」などの音が気持ちよいうえに「時間を止められたらなぁ」のストッピング船木さんや「未来しかなくてごめんね」のごめんねポーズなどビジュアル側も抜かりない。そして万感の思いの「私なら大丈夫です」。「私なら大丈夫です」というフレーズの使い勝手の良さが逆に切ない。CD音源だと全体にわたる綺麗なコーラスも聴きどころ。一音一音切った山木さんの「でも君の助演賞ならば」とその後のももちさんの「いーまーだ」の声好き。
2位 闇に抜け駆け / こぶしファクトリー :2.5pts.
演劇女子部の舞台「JKニンジャガールズ」の主題歌。地の底から湧き上がる「ゼェ~ッタイ勝利は譲らんない」から始まる名曲。自分の中ではBuono!の「初恋サイダー」と双璧をなす出だし。「譲らない」じゃないんだよ「譲らんない」なんだよ。エツ子先生っぽいよね。終盤広瀬さんの「あたしこそがっ」の「がっ」と二番井上さんの「まいたげる」も気持ちよい(ただしCD音源だと物足りない)。音楽も三味線/尺八とエレキ/ドラム/金管の競演が楽しい。「ドスコイ!ケンキョにダイタン」もそうだけれどこぶしは和洋混在の音楽が似合う。欲を言えばこれのインスト版も欲しかった。終始勢いと語呂に任せた、適当感強い歌詞も魅力。「見てよ私の忍び足」見せるなよ。忍べよ。
3位 ありがた迷惑物語 / ハロプロ研修生 :2pts.
歌詞も曲調もダンスも攻める反骨精神溢れる楽曲。これからもスタッフだのファンだの訳知り顔のおっさんたちに色々とドヤ顔で諭されて仲間内のコミュニティでも多々発生するであろう理不尽な事態を研修生たちに歌わせるというつんく♂節の利いたシチュエーション。この曲といいジェラジェラといい言いにくいことを言わせるのがつんく♂のマイブームなのか。事務所のみなさん、「経験」だとか「きっかけ」だとか「チャンス」とかそんな言葉で全部まとめさせないそうですよ。研修生のみなさんが攻めの表情で肩入れてぐいぐいくる映像もとてもよろしい。なんでMV作らなかったんだよ。
4位 ふるさとの夢 / かみいしなか かな :1.5pts.
何故か名曲が多いSATOYAMA系の新顔。TBSの番組「ふるさとの夢」を見過ぎてもはや安東アナの顔が浮かんでくるようになった当楽曲、歌詞の内容にはそれほど共感はしないのだけれど、歌詞の音と音楽、歌唱者の声質の融合が心地よい。終盤の間奏明けソロで歌い継ぐ「群青の空 木蓮 北斗七星 クスノキの香り もぎ立ての枇杷」「山と海の風が吹き付けるこの町 少し染めた髪の芯まで冷えて」の声質の対比がたまらん。ソロで魅せる金澤さんとユニゾンで支える中島さん、可憐な声色の上國料さん、初々しい声色の石田さんなど役割分担もうまくできてる。ところで2:57の歌詞に出てくる「口うるさかったおばあちゃんたち」のその後が気になる。少し静かになりましたか。そうですか。そうですよね。私もじきに静かになります。あと、4:11とか4:13にほのかに聞こえる上國料さんの笑い声みたいなの、楽器の音かしら。
5位 ネガポジポジ / 演劇女子部 (つばきファクトリー / ハロプロ研修生) :1pts.
演劇女子部の舞台「ネガポジポジ」の劇中歌。劇はそれぞれ同じシナリオをABCの3チームで披露したため実際には同楽曲が3種類存在するが、CD音源はチームB(小野瑞歩、高瀬くるみ、前田こころ、吉田真理恵、小野田暖優)で劇中とは別の編成で収録。小野さんの丸い声から始まり高瀬さんの硬質な声に引き継がれ、前田さん吉田さんの高いユニゾンから小野田さんの「幸せって気持ちをぼくは知らない」と繋ぎ、そこから高い「わからなーい」と来る構成がかっちり決まってる。そして終盤1:53からの切ないコーラスも圧巻。サントラ用で舞台とは違う編成なのによくぞここまで洗練させたなと。そして何よりも終始引きこもりのぼんやりとした、深刻なのか深刻じゃないのか判らない歌詞が絶品。劇中ではアンサンブルの皆さんが帽子を落としながらフリフリウロウロする振付も素敵だった。
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