楽曲部門
1位 若いんだし! / モーニング娘。'17 :3.5pts.
今まさに日本武道館にて工藤遥の卒業コンサートが行われている真っ最中に投稿している。(笑) この曲はつんく♂さんとしては表向きはその工藤遥への卒業メッセージであり、若い人たちへのエールとしてこの曲が作られたとあるが、真のメッセージはその裏にあると思う。それはつんく♂さん自身による「自分はまだまだ若い。もっとできるんだ」という宣言なのではないか。青年時代にモーニング娘。のファンになって、もはや不惑の年となったが、年を取れば年を取るほど実感するのは「自分は若い」と思っているのはだいたい年寄りだということだ。「老いたと思った瞬間に人は老人となる」と言った偉人がいたそうだが、まさにここでいう「若い」という言葉には「生きている実感」「生きることへの奮起」という意味がある。『I WISH』の「人生って素晴らしい」にも通底する考え方だと思う。
2位 ジェラシー ジェラシー / モーニング娘。'17 :3pts.
久しぶりのニュージャックスウィング調で、女の深層心理を抉り出す痛快な一曲。女性の感情にまつわる曲のほとんどが恋愛や失恋を描いていたこれまでのつんく♂作とは一味も二味に違う。つんく♂著『だから、生きる』において、彼がどれだけのアーティストの才能に嫉妬心を抱きながら楽曲を作り続けてきたかが語られているが、この曲の主人公が嫉妬に狂いながらそれでも前を向く姿勢はまさに彼自身の投影である。このように、ハロプロのプロデュースから外れ、一作家となってからの彼のモーニング娘。への楽曲は、ほとんどが彼が発するメッセージや彼の生き様を歌わせている楽曲であるといっても過言ではない。これについては佐藤優樹が「つんく♂さんが優樹たちの声を借りて、つんく♂さんが言いたいことを優樹たちに歌わせている」と言っていた。またつんく♂自身も「モーニング娘。は自分の分身」言っている。
3位 魔女っ子メグちゃん / アンジュルム :1.5pts.
スマイレージからアンジュルムとなって、「かわいい」路線中心から「かっこいい」路線中心にシフトし、今年もパフォーマンス的にはいろいろな手法が試みられた一年となったのではあると認めるが、路線的にはアンジュルムらしい「かっこいい」路線の範疇でしかない曲ばかりだったのではないだろうか。「かっこいい」も「かわいい」もあり、またそこに「セクシーさ」までも散りばめた楽曲は、今までのアンジュルムの曲の中ではこの曲しかないと思う。それがまさかアニメソングのカバーになるなんて誰が想像し得たであろうか。こういう楽曲が、アンジュルムのさらなるパフォーマンスの幅を広げてくれることを期待してやまない。
4位 Fiesta! Fiesta! / Juice=Juice :1pts.
段原瑠々と梁川奈々美の加入は大いに衝撃だったが、まさに超実力派ユニットと成長したJuice=Juiceにとっては鬼に金棒といった加入となった。あからさまに腰を振るダンスや、ふりきったラテン調の曲調は已むすると下卑た印象になるが、まったくそうはなっていない。それはこの七人となってさらにパフォーマンス力が向上した証左でもある。個人的には実るほどに首を垂れる稲穂となっている段原に注目している。
5位 Just Try! / つばきファクトリー :1pts.
転調に転調を重ねながら奇怪なグルーヴを作りだり、一曲聴き終わった後にはなぜかしらもう一度聴きたくなる。つんく♂が生み出す独特の麻薬的なグルーヴは「これこそハロプロ!」と快哉を挙げたくなる。「♪嫌い嫌い言ってたって好きにはなれない」の部分の暗黒舞踏の様な振り付けなども、ハロプロのファンでよかったと痛感してならない。ハロプロがよくわからないという人にこの曲のMVを見せて、どうも好きになれないといわれたなら、その人はハロプロは向かないかもしれない。(笑)
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