楽曲部門
1位 初恋サンライズ / つばきファクトリー :2pts.
急き立てるようなリズムセクションとギターのカッティング、加工したボイスを巧みに使ったアレンジが「恋する少女の焦燥」をサウンドで表現しているようで、そこに乗る歌声がさらにその感情を掻き立てるようです。そしてなによりこの曲においては「洗いざらい」と「A Lie The Lie」の日本語と英語をかけたライミングにやられました。そこに続く「さらけちゃって」で「さらけ出す」の「出す」を省略するという“正しくない”言葉をあえて使っているのも曲の描く世界に合っていたと思います。
2位 BRAND NEW MORNING / モーニング娘。'17 :2pts.
9期2人、10期4人、11期1人、12期4人、13期2人と、ちょうど対称形となっていたリリース時の娘。のメンバー構成。9期と(この時点で)新加入の13期がひとりずつペアを組んで歌うBメロはそのメンバー構成を象徴するように思えました。そしてそのBメロが「問いかける後輩と導く先輩」だけではなく「問いかける先輩と応える後輩」になっているのも感じるものがありました。サウンド面でも、シンセのリフがそのまま歌メロになったようなバックトラックとボーカルのシームレスさが魅力。Bメロでベースをオミットしてリズムの隙間を意識させ、サビでベースが入ることでリズムの横方向を意識させるアレンジも好きなところです。
3位 魔女っ子メグちゃん / アンジュルム :2pts.
原曲とは違ったアレンジを施したカバー曲ではありますが、原曲のベースラインをリフとして取り入れ原曲へのリスペクトも感じさせるリアレンジに巧みさを感じます。また、Bメロではスネアのタイミングをずらして変化を付けつつ、最後のリフレインではキッチリ2拍4拍にスネアを入れてくるドラムの気持ちよさがたまりません。
4位 いのうえのうた / 井上玲音 (こぶしファクトリー)、井上ひかる (ハロプロ研修生) :2pts.
ディープ・パープル、ロイ・オービソン、ビートルズ、ヴァン・ヘイレン、ザ・ナック、ジミ・ヘンドリックスなど、ロック名リフ大会のようなサウンドにニヤリとさせられました。しかも元のフレーズそのままではなくアレンジされつつ、だけどはっきり元ネタがわかるというその塩梅が見事。言葉遊びのようでもあり言葉を使った実験のようでもある歌詞にもすごいことをやっているなあと感心させられた1曲です。
5位 Summer wonderland / PINK CRES. :2pts.
オーバーハイムっぽいシンセの音色やドラムのリヴァーブ感など、ノスタルジックなわけではありませんがどこか1980年代テイストを感じるサウンドがたまりません。Aメロ後半からサビにかけてベースパートを担当するシンセがリズムを刻まず白玉で低音を埋めているのも面白いところです。2番の歌詞の「記念日」「遺伝子」「堕天使」とヒップホップ的な感覚で韻を意識したフレーズも耳に残りました。
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