楽曲部門
1位 邪魔しないで Here We Go! / モーニング娘。'17 :4pts.
「世界よ、これがつんく♂だ！」と誇るべき名曲にして、リズム天国番外編とも言える怪曲。冒頭からシリアス系のセリフ来たなーと思ってたら、そぎ落としまくったサビで始まる。このサビ中、ほとんど裏拍でキメがあるので、リズムの表と裏が逆転したような感覚に陥る（逆でも一応メロディーは成立してしまうのも凄い）。落ちサビ〜最終サビで、リズムトリックの種明かしするように四つ打ちのビートに乗せて歌ってあっけなく終わる。初めて聴いた時は「マジかよ！」と思わずつぶやいてしまい、その後何度も何度も聴き直す自分がいた…。どこまでアレンジャーの職人芸かは分からないが、リズム遊びのような実験をしてるのに、最終的にはちゃんとポップに仕上げている。こんな音楽、世界のどこを探してもないはず（原宿にはある）。つんく氏は過去の焼き回しではなく、今の音楽を常に模索しているんだなぁと思って、胸が熱くなった。一生ついていきます。
2位 ジェラシー ジェラシー / モーニング娘。'17 :3pts.
「邪魔しないで〜」と違ってすんなりと聴けるけど、聴くたびに深みに嵌る名曲。まず、メロディーとリズムが気持ちいい。サビではゆらゆら漂うような主旋律の合間に「ジェラシー」とアクセントをつけて全体を引き締める。凄い。クラシックみたい。リズムに関して、J-Popのダンス曲は個人的にどうも裏拍を感じないというか、盆踊りのように聞こえてしまう事が多い（好みの問題でもあるが）。その点、つんく氏が作る曲はどれもしっかりリズムの裏を感じられるように設計されているので、自然とノッてしまう。最後は、いうまでもなく歌詞の凄さ。ジェラシーを肯定的に捉える着眼点の鋭さ、「ジェラジェラジェラっちゃう」「Rich Young Girly 細い」など言葉選びの面白さ、女の子（ひいては人間）の本質を突きまくった内容…もはや名人芸でしょう。
3位 To Tomorrow / ℃-ute :1pts.
このハロプロ楽曲大賞を選考するために「2017年どんな曲があっただろう」と聞き直していたところ、リリース当時は「いい曲だけど、何か引っかかりがないなぁ」と思ってあまり聞いていなかったこの曲が、まさかの急上昇。理由は今までハイレゾで聴いてなかったこと。一応ハイレゾで購入していたものの、Apple MusicとiPhoneを通して圧縮された音で聴いていた。しかし、今回の選考のためにきちんとしたオーディオ設備で無圧縮で聴いてみると、予想外にベースがグイグイくる。カッコいいベースがボトムを支えると、すごいGroovyな曲に変わり、メロディーも違って聴こえ出して、目から鱗状態。アイドルといえども、きちんと音楽と向き合っているのがハロプロのいいところ。改めて聞くと、歌詞もいいなー。
4位 若いんだし! / モーニング娘。'17 :1pts.
初めて聴いた時は「時空を超え 宇宙を超え」「Endless Sky」を思い出したが、聞き直すと曲調は全然違っていた。あえて共通しているとすれば、空をゆっくり上昇していくような気持ちよさだろうか。身を委ねて、どこまでも行きたくなるようなサウンドメイキング。しかし、つんく氏の女の子に対する（そして人間に対しての）眼差しって、なんでこんなに暖かいんだろう。ポジティブなだけで内容のないJ-Popと一線を画している点の一つが、このつんく氏の眼差しだと思う。もはや神様レベルに達しつつあると言える。そして、そんな歌詞の曲をまだ年端もいかないモーニング娘。が歌うというところに、ハロプロの良さがある。いやー、すごいなー。
5位 The Curtain Rises / ℃-ute :1pts.
最初、音源で聴いただけではそこまで惹かれなかったが、℃-uteの解散コンサートのオープニングを観てからというもの、聴くたびにあの五人の自信に満ちた挑戦的な顔を思い出してしまって、どうにも気持ちが高まってしまう。あとは何というんでしょうか、このラスボス感。「Kiss me愛してる」の頃から感じていた、℃-uteの謎のラスボス感の集大成がこの曲じゃないだろうか。コーラスといい歌詞といい、聴くたびに変な曲だなぁと思う。だが、それがいい。萩原舞の「野暮は言いっこなし」の箇所が個人的に好み。
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