楽曲部門
1位 大器晩成 / アンジュルム :5.0pts.
なくした命を取り戻す喜びは何ものにも代え難いです。か細い声で改名を告げた二人と全てを察してガックリとうなだれた四人の映像は未だ忘れられません。しかし、そんな彼女たちが楽しそうに活動をしていました。この楽曲に勇気と元気をもらい、イチからやってやろうと開き直ってハツラツと歌い踊る。全て無くした者に怖いものは無いと言うけれど、リセットした彼女たちの前向きな開き直りは、人間としても学ぶ部分が多くあると思いました。そして、アンジュルムのスタートダッシュの一曲であるだけでなく、「結果が付いて来なくとも」「気長に頑張りなさい」「腐らずにやんなさい」と諭すこの楽曲は、全てのハロプロメンバーの道標になるメッセージが込められています。「ポストつんく♂プロデュース元年」とも言える今年、いきなり度肝を抜いたこの一曲がいずれ新生ハロプロを象徴するアンセムになる気がします。それぐらい大切な曲。
2位 臥薪嘗胆 / アンジュルム :2.0pts.
楽曲にグループのらしさを取り入れることって重要だと思うんですが、もはやこの楽曲自体が「アンジュルム劇場」になっているように感じます。悔しい気持ちを忘れるなよと仲間同士で声掛け合うのだけど、涙あり笑いあり、悔しい中に喜びを見出し、くさらずに前を向く。ハッハッハッという掛け声とともに駆けまわり、楽しそうに踊り、戦隊ヒーローのようにポーズを作り、最後は歌舞伎よろしく見得を切る。彼女たちの「型」が感じられました。そして何より、MVの映像に見られる笑顔。改名することを告げられ、落ち込み泣き崩れた2期がこれほどまでに喜びを取り戻したのは、誰のおかげでもなく彼女たちの立ち上がろうとする力に他ならない。だから、ハローを取り囲むファンは皆、彼女たちに惹きつけられ好きになるのだと思います。そんな魅力の詰まった楽曲。
3位 GIRLS BE AMBITIOUS / Juice=Juice :1.5pts.
1stアルバムにして絶賛を呼んだ名盤『First Squeeze!』の中で最も高揚感を覚えた楽曲。純粋な歌唱力だけでなく、かなともの「カモォ~ン」をはじめとする歌詞の中のキャラを演じている点においても歌手としての力量が発揮されている。未だ「Buono!をもう一度」という声が聞かれるけれど、ロスで困っている人はこの曲だけでも聴いてみたらどうかと思いました。これからのJuice=Juiceの幅広い活躍が期待できるバリエーションに富んでアルバムは、これまでの大人なクール路線一辺倒のグループイメージを一新するものだったけれど、中でもこのロック調の作品の存在感はライブに強い5人を強く印象づけたように思います。
4位 友よ / アンジュルム :1.0pts.
熱く波乱にとんだアイドル人生を歩むアンジュルムが繰り広げる、別れをテーマにした青春賛歌。ユニコーンやLINDBERGの頃からの正統派のロック・ポップがとにかく気持ち良く、あやちょの「バイバイ」をキーワードに持ってくる技巧も唸らされます。歌詞全体に古めかしい呼び掛けの言葉が並びますが、実は作詞した児玉雨子さんは平成生まれ。でも、だからこそかえって昔臭さが色濃く表現されているのかなあと思いました。会話や遊び方は変わっても友への思いは普遍です。ハロプロ自体が伝統芸能のようなもので、いつの時代も若き少女の普遍のアツさを表現する集まりです。今年一年、ハロプロの真髄である青春ど真ん中の活躍をとげた今年のアンジュルムが、歌にダンスにバラエティにと屈指のオールラウンダーであった福田花音を見送るに至った力強さを、この曲を通じてひしひしと感じました。
5位 恋泥棒 / カントリー・ガールズ :0.5pts.
ハロ!ステでMVが公開されるやいなや、文字通り多くのファンが心を「奪われた」作品。楽曲の終盤に「危険なアディクション(中毒・依存)」と出てくる頃にはすっかり魅了され、まるでこちら側を見透かされていたような気持ちになります。シンプルにアイドルらしく、アイドルソングに不可欠な要素を全部入りにしたような絶妙なバランスは、ハロプロファンよりも、むしろそれ以外のアイドルファンや引いてはアイドルに興味ない人たちに幅広く受け入れられそうな気がしました。昨年までのクール路線の中、界隈で頻繁に見られた「スキル」「プロ意識」といったストイックなワードは、彼女たちの登場によりすっかり姿をひそめ、ハロプロの価値観がリセットされた気がしました。「かわいい」というキーワードで彼女たちがハローの中に居場所をがっちり確保した瞬間でした。ももちPM恐るべし(笑)
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