楽曲部門
1位 七転び八起き / アンジュルム :3.0pts.
2月の改名後初のシングル「大器晩成/乙女の逆襲」で一気にハロヲタ内で注目が高まった印象の感があるアンジュルム。それだけにその次の作品が重要だったのは言うまでもない。で、見事なまでに期待に応えた感じなのがこの曲。ダンス専門に福田花音・勝田里奈・佐々木利佳子の3人を選抜させる思い切った内容に最初こそは戸惑ったが、結果的にパフォーマンスに奥行きが出たことにより歌詞の世界観をより濃くしていった印象。負けじとボーカル6人も気合の入った歌を聞かせてくれる。歌声聴いてるだけなのに田村芽実の八重歯の先が尖って見えるくらいだ。歌声聴いてるだけなのに和田彩花に倍返しされそうだ。そしていかにもハロプロらしいダンスサウンド。歌を取り巻く音作りのこだわりを久々に感じることが出来るのもこの曲が好きな理由と言えよう。
2位 ドンデンガエシ / アンジュルム :3.0pts.
とうとう来たかという感じの、いかにも「アニソン」ライクな曲。キャッチーなメロディーに、言葉の表現を固めにしてインパクトを重視させた歌詞。サウンドもアップフロントの作品にしてはかなりごちゃごちゃとしていて決してかっこいいとは言い切れない。ただ、そういう音楽面での雑音を吹き飛ばすほどの圧倒的なエモーションをこの曲からは感じとることが出来る。全体的に高音域が得意なメンバーが多いからとも言えるのかもしれないが、それでも単に軽く歌っている印象では無いので、そんじょそこらの同じような曲と比べても圧倒的に聞きやすい…はず。ハロプロでこういう曲の聴き方をする日が来るとは、外部作家曲を数年前から望んでいた自分としては嬉しくもあり、でもどこか寂しくもあり…。この曲をどう評価するかという点は、今年のハロプロ楽曲大賞のひとつのキーポイントになるのではなかろうか?
3位 Love together! / Berryz工房 :2.0pts.
「無期限活動停止」前最後の曲。「ひとまず」の別れとしてはあまりにも眩しくて儚げで、ただただメンバーが愛おしくなる。こんな曲がかつてハロプロにあっただろうかいやない(断言)。個性のぶつかり合いの激しさ故、グループとしての完成度がいまいちのように見えてしまう彼女たちだったが、この曲にはそういう武骨な感じなど一切なく、まさに「グループとして仕上げに入った」印象が歌やMVでのダンスシーンから見てとれる。アレンジはまさに平田祥一郎の本領発揮。昨今のEDMアプローチとベリ初期にあった物語性の溢れる音像が見事に合わさっている。例えるのなら「あまりにも明るい走馬灯」。個人的には平田氏のハロプロ曲の中でのサウンドの変遷とベリの成長はある意味並行してると思っているので、そういう意味でもなんとも素敵な曲だなと感じた。
4位 今すぐ飛び込む勇気 / モーニング娘。'15 :1.0pts.
ついにワンファイブにも作詞作曲のすべての面においてつんく♂以外の作家が参加した書き下ろし楽曲が登場。作詞は三浦徳子と児玉雨子が初タッグ、作曲は泰成(シャ乱Q・たいせい)。勇気をもって飛び込んでいこうとしている瞬間を水鳥が飛び立つイメージに沿って繊細に表現している。歌は佐藤優樹と野中美希が目立つ。粗さもまだまだ目立つが声に力がついたおかげで、曲のやや儚げな印象の割には不思議と気概が伝わってくる。今年リリースされたつんく♂の作品では、ややこの声の「力」の部分が足を引っ張っていて全体的に歌が聞きづらい印象だったので、まさに新たな魅力がこの曲によって発見された印象。
5位 念には念 / こぶしファクトリー :1.0pts.
長年続くハロプロ楽曲特有の「内容はコミカルなのに全体的にかっこいいロック」テイストで、久しぶりにインパクトのでかい曲が来た印象。タイトル通り「念には念を入れる」とひたすら主張するだけ、何回聞いても念には念を入れる重要性しか説いてない歌詞。そしてAメロでもれなく挿入される「ねんねんねんねねんねねんねんねん」のガヤ。そんなコミカルな雰囲気を、T-REX「21st century boy」丸出しのギターリフとハーモニーコーラスが盛り上げる。音自体はもっさりしていて疾走感もあまり無いのだけど、念には念を押す歌だからこのくらいの早さの方が安心かも…。歌もなかなかキャラクターの強い歌声がそろっている感じがしてこれからに期待。広瀬彩海、井上玲音のナイスガールトレイニー出身組はかなりの実力で、そこに入る和田桜子というインパクト…。今後も見逃せない。
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