楽曲部門
1位 ドスコイ! ケンキョにダイタン / こぶしファクトリー :3.0pts.
全編にわたる太鼓の音とちょいちょい挟み込まれる「ドスコイ」の声、曲中に取り組みも始まってキワモノ曲かと思いきや、実は音楽も歌詞も共に良質な、ある意味「どうしてこうなった」という一曲。ギターのギャンギャンした音と太鼓の音との親和性が思いのほか高くてインスト版もかっこいい。そして時折入る琴の音が良い仕事してる。間奏の取り組み前(1:54)の「雨が降ろうが槍が降ろうが その後に架かる虹を見てみたい 大切なのは辛い涙も 恵みの雨に変えられる心」のメロディーと歌詞で泣ける。あとMVだとその直前の桜子さんの「ならない」のバッテンかわいい。
2位 マリオネット37℃ / アンジュルム :2.5pts.
乙女の逆襲の児玉雨子/CMJKと謎の星部ショウですよ。扉を開けて始まるちょっと熱い人肌マリオネットの一幕。「世の中は劇場 人生のミザンセーヌ せわしないプロット 今日も演るのだー」など単語のチョイスと曲への乗せ方が絶妙。最後まで平熱のマリオネットに徹して終わるというのもアリだと思うが終盤で熱量を上げてきたところが児玉雨子っぽい。軽妙さと荘厳さを併せ持って始まったワルツ調の曲もいつの間にか歌詞の熱量と共にトトトトと鼓動のごとく呼吸を刻んで畳み掛けてくる。CMJK曰く「4分の3拍子じゃなくて8分の6拍子なのでワルツというよりワルツ調」らしい。全編各人の声質がうまく活かされているが特に後半の「今日も出番だー」の揺らぎが秀逸。ところで咆吼どなた。
3位 念には念 / こぶしファクトリー :2.0pts.
T. Rexの20th Century Boyを彷彿とさせるギターから始まるこぶしファクトリーのデビューシングル。初披露時から完成度の高いパフォーマンスでグループの可能性を印象づけた一曲。「ねんねんねんねねんねんねんねねん」や「忘れんなアンブレラ」などキャッチーなフレーズを印象的な歌い方でノリノリな音に乗せつつ象徴的な振りをちりばめるという、全方位で完成度が高い逸品。個人的には間奏後のれいれいさんの「きっと人生はドラマのように」は初披露時のメロディアスな歌い方が好きだったのでその後はMVも含めてずっとパンチの効いた歌い方になっているのが少し残念。あと桜子さんの「アーナタワァ↑」いいよねー。
4位 ドンデンガエシ / アンジュルム :1.5pts.
「壮大などんでん返し 圧巻のどんでん返し」ですよ奥さん。ズンチャンズンチャンという小気味よいリズムに乗せて歌詞も低中高と次第に高まっていき最終的に大逆転劇に繋がる綺麗な展開。大逆転のホームランを見送るビシッとした振り付けと相俟ってとても気持ちよい。勝田さんの「変わってるねと嘲笑われ↓」の最後下がるところいいよねー。MUSIC+でのレコーディング風景を見ると二手に分かれるところは一人ずつちゃんと交互に録っていてなるほどなーと。
5位 ぁまのじゃく / 演劇女子部 (スマイレージ) [和田彩花] :1.0pts.
スマイレージのインディーズデビュー曲をミュージカル「SMILE FANTASY!」で和田彩花がソロで歌ったもの。オリジナル版ではデビュー曲ということもあってか、切ない歌詞にも関わらず瑞々しくてかわいらしい楽曲であったが、それにアレンジを加えて和田彩花にソロで歌わせることで全く違った色が出てきて「この曲にはこんな顔があったのか」と驚いた一曲。今回は曲の表情の多さに一票。終盤のあやちょさんの声が仔犬の哀しそうな遠吠えに聞こえるのがたまらん。そしてそこから「全部全部興味ない」に入って「ウソ泣きしてあげるから」に至るまでの音の減り方。
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